こんにちわ、ゲストさん
ログイン2004年9月26日
<税務・会計>
中国税務ここがポイント(6)
中国の外商投資企業の中国国産設備購入優遇税制
前回は、外商投資企業の設備輸入免税措置についてお知らせしました。今回は、外商投資企業の中国国産設備購入に関する優遇制度を説明します。
中国における外商投資企業の設備面の優遇税制には、設備輸入免税制度と中国国産設備購入優遇税制があります。これは、外商投資企業で奨励業種等に該当する場合、国産設備に掛けられていた増値税額、及び一定割合の外資企業所得税額を還付する制度です。
すなわちこの優遇税制は、設備購入による増値税還付と、設備購入による外資企業所得税還付の2種類があります。
また、適用を受けられる国産設備の金額は、貨幣による投資総額から、既に関税及び輸入増値税の免税措置を受けている輸入設備の総額を差引いた金額となりますので、設備輸入免税制度と表裏一体の関係をなしています。
国産設備の増値税還付優遇税制は、1999年9月1日施行の「関於印発《外商投資企業採購国産設備退税管理試行弁法》的通知」(国税発[1999]171号)に規定されています。
1.増値税還付税額の内容
外商投資企業においてその投資総額内で中国国産設備を購入した場合、その設備が免税リスト内のものに該当する場合、その仕入増値税の全額が還付されます。 還付税額=増値税専用発票上の(税抜)金額×増値税率 ただし、購入後の監督期間である5年内に、当該設備の譲渡・贈与・所有権の移転・貸出・再投資の各行為がある場合には、下記公式の税額を返納しなければなりません。 返納税額=増値税専用発票上の(税抜)金額×(設備簿価/設備原価)×増値税適用税率 |
2.増値税還付対象設備
下記の全ての条件を満たす設備
|
3.増値税還付対象設備の適用対象限度額(=税額還付投資総額)
税額還付投資総額=貨幣による投資総額-すでに免税措置を受けた輸入設備の総額 |
逆に言うと、免税輸入設備及び税額還付を受けた国産設備の総額は、常に貨幣による投資総額(現金出資の資本金+現金による外貨借入金)以下であるこtとなります。
4.増値税還付申請の手順
A.対外経済貿易委員会での承認申請資料
B:税務局での初回届出資料
※国税函[2002]197号より
C:設備販売企業が管轄税務局に納付書を申請する時の提出資料
D:還付申請時の提出資料
なお、地域により、資料の内容が異なる場合があります。
5.その他の留意点
1) 設備購入取引は、外貨決済も可能です。
2) 売買を行わなかった時は、届出後であれば、各段階で抹消手続を必要とします。
国産設備の外資企業所得税還付優遇税制は、「関於外商投資企業和外国企業購買国産設備投資抵免企業所得税有関問題的通知」(財税[2000]49号)、及び「関於印発《外商投資企業和外国企業購買国産設備投資抵免企業所得税管理弁法》的通知」(国税発[2000]90号)に規定されています。
1.外資企業所得税の還付税額の計算
参考:外商投資企業及び外国企業の国産設備購入による外資企業所得税控除・免除明細表の内容の一部(年度末終了後4ヶ月以内に確定申告書に添付して提出)
2.外資企業所得税還付対象設備
増値税還付の対象設備と類似する。
下記の全ての条件を満たす設備 国発[1997]37号中の旧「外商投資産業指導目録」の奨励類及び制限乙類の投資プロジェクトにおいて購入する国産設備 「外商投資項目不予免税的進口商品目録」上に記載されている輸入禁止設備ではない事 固定資産として管理し、生産及び経営に供するもの(検査機器を含む) 貨幣により購入した未使用の中国国内製造設備で、現物出資設備若しくは無形資産でない事 税務機関の税額還付投資総額の査定を受け、1999年7月1日以降に購入したもの |
3.外資企業所得税控除申請の手続
下記の全ての条件を満たす設備
|
A:控除申請資料
B:確定申告書の添付資料
なお、以下の状況が発生する場合もあります。
1) 資料提出時に、前述の増値税還付申請資料の一部が要請される可能性もあります。
2) 地域により、資料の内容が異なる場合があります。
以上
(2004年9月記・6,406字)
上海邁伊茲諮詢有限公司
税理士 永岡稔
有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。
2010年12月27日
2010年8月12日
2010年7月26日
2010年7月16日
2010年7月5日