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ログイン2006年11月21日
2006年11月1日、中国国家商務部、税関総署、国家環境保護総局は2006年第82号公告を共同で発布するとともに、『加工貿易禁止類商品目録』(以下「82号文」という)が公布され、2006年11月22日より実施されます。
2006年11月1日、中国国家商務部、税関総署、国家環境保護総局は2006年第82号公告を共同で発布するとともに、『加工貿易禁止類商品目録』(以下「82号文」という)が公布され、2006年11月22日より実施されます。82号文によれば、「新たな加工貿易禁止類商品目録は前記公告中の規定を基準とし、今後、加工貿易禁止類商品目録については国の関連政策の変動に応じて調整を行っていく。」とのことです。
最近、今年9月から始まった加工貿易政策の調整にまた新たな変化が生じてきました。読者の皆様に分かりやすいよう、ここでは今回の加工貿易政策調整の起因、発展、変化について以下のように整理してご紹介します。
起因:中国政府による加工貿易政策の調整
今年9月、財政部、発展改革委員会、商務部、税関総署、国家税務総局は共同で『一部商品の輸出還付税率の調整及び加工貿易禁止類商品目録の増補に関する通知』(財税[2006]139号、以下「139号文」という)を発布し、輸出商品の還付税率に対する大幅な調整が行われました。2006年9月15日より実施されています。今回輸出還付税率(引き上げ、引き下げおよび廃止)が調整される商品コードは1000種にものぼり、多くの輸出企業に多大な影響をもたらしています。
同時に、139号文には「これまですでに輸出税還付が廃止されている商品及び今回輸出税還付が廃止される商品を加工貿易禁止類目録に記載する。加工貿易禁止類目録に記載された商品は一律に輸入関税及び輸入段階税が徴収される。禁止類目録の具体的な商品名称及び税番号は商務部が関連部門と共同で別途発布する。」と規定されています。
しかし、139号文は「これまですでに輸出税還付が廃止されている商品」について明確にしておらず、商務部も遅々として「禁止類目録の具体的商品名称および税番号」を公表していません。法理論から言えば、新たな禁止目録が発布されるまでは、元の規定、つまり商務部、税関総署、国家環境保護総局2005年第105号公告により発布された『加工貿易禁止類目録』(以下「105号文」という)が適用されるべきでしょう。
発展:税関の加工貿易禁止類目録に対する拡大解釈
2006年9月29日、財政部、税関総署、国家税務総局が共同で『一部商品の輸出還付税率調整問題に関する補足通知』(財税[2006]145号、以下「145号文」という)を発布しました。2006年9月15日より実施となっています。
145号文では139号文がより明確化され、『2006年9月15日以前にすでに輸出税還付が廃止されている商品リスト』(以下「リスト」という)が補充されました。ここには主に今回輸出税還付政策が調整されるまでにすでに輸出税還付政策が廃止された商品含まれています。
139号文、145号文に対する税関側の理解では、『リスト』範囲内の商品は全て加工貿易禁止類目録に記入され、これらの商品を輸入した場合、一律に輸入関税、及び輸入段階税が徴収されるというものです。しかし145号文の発行部署には国家商務部が含まれていないため、『リスト』も139号文にいう「禁止類目録の具体的商品名称及び税番号」には該当しません。税関の理解は、事実上加工貿易禁止商品の範囲を拡大することとなり、権限逸脱の嫌いがあります。商務部の関係責任者もこの税関の「独断」的な理解には賛同できないとしています。
しかし、145号文が発布されてからというもの、上海税関を含む全国各地の税関が『リスト』範囲内に含まれる全ての商品の加工貿易手帳の手続き申請を受理していないのも間違いありません。これにより本来今回の加工貿易政策調整の影響を受けるはずではなかった企業にまで影響が及んでいます。
【事例】 紙製品の加工貿易を取り扱っている某製紙会社を例に取りご説明します。紙製品は105号文に付されている加工貿易禁止類目録に記載されていますが、同社の従事する原紙を輸入し紙製品を輸出するという加工貿易方式については依然として認められるものと考えられます。というのも、この規定に従えば、「加工貿易方式で原木、木片、パルプを輸入し、紙、ボール紙を輸出すること」は禁止されていますが、同社が直接原紙を輸入し、加工を経て紙製品を輸出することはこの制限を受けないからです。
しかし、139号文、145号文に基づき、税関の理解に従えば、紙製品は『リスト』範囲内の商品に該当し、「一律加工貿易禁止類目録に記載される」ことになります。したがって、輸入した原料が紙パルプであろうと原紙であろうと、当社は紙製品の加工貿易に従事することができなくなります。
そのため、当社が10月に現地の税関に紙製品の加工貿易の取り扱いを新たに申請した際、受理されませんでした。
〖税関はさらに、当社が9月22日に(139号文発布後、145号文発布前)に申請し、すでに許可を受けている加工貿易まで、取消すべきだと要求しています。この二部の文書がいずれも9月15日より実施となっていることをその理由としています。しかし、この時すでに、日本側の原材料供給業者は積込を開始しており、もし加工貿易が取消しとなると、巨額の損失が生じてしまいます。同社と税関が話合った結果、「法の遡及適用禁止」の原則に基づき、最終的には税関はこの加工貿易を取り消しにはしませんでした。しかし、新たな申請については、はっきりと不受理の立場を表しています。〗
変化:商務部が正式に新たな加工貿易禁止類目録を公布
今回の82号文とは、つまり139号文に基づき、商務部が関連部門と共同して発布した新たな加工貿易禁止類商品目録です。新目録では加工貿易の取り扱いが禁止される804品目を列挙し、各商品の禁止形態(輸入禁止、輸出禁止又は輸出入禁止)について明らかにしました。82号文の発布部署には税関総署が含まれていますので、これは145号文の公布後の税関の「独断」的な考え方に対する重要な調整であると見ることができます。
実際、新目録の「原料類商品に対する管理方式は『輸出禁止』であるが、これは加工貿易企業の輸入原料使用による再加工生産には影響を及ぼさない。」と商務部産業司の王琴華司長は新目録についてメディアの取材時にはっきりと見解を示しています。これは105号文の規定趣旨と一致しています。
事例中の製紙会社について言えば、新目録に列挙された商品には紙製品は含まれていません。分析した結果、国の紙製品の加工貿易政策については139号文、145号文による調整はなされておらず、105号文を基準としていると考えるべきです。つまり、同社がこれまで従事してきた紙パルプを輸入し紙製品を輸出するという加工貿易業務は、依然として継続可能であり、新たな申請も行ってよいと考えられます。
現在、82号文は商務部のウェブサイト上に公開されていますが、この文書が税関システム内部を通じて下部税関の手に渡るまでには一定の時間が必要となります。確認した限りでは、現在上海税関はまだ正式な文書を受取っていません。しかも、82号文の規定によると、新目録は11月22日より実施されるとあります。したがって、企業が現在『リスト』に記載されている商品について加工貿易を申請しても、やはり受理されないでしょう。しかしながら、正式に上部から文書を受取った後は、同規定に基づいて現在のやり方に調整を加えるものと思われます。(以上)
(2006年11月記・3,093字)
上海里格法律事務所
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