エクスプロア上海　CRH2　　2007年度版《国際統一商品分類システム(別名:ハーモナイズド・システム)》　　(以下《統一システム》と略称する。同システムの詳細な紹介は《商品分類の新動向》記事を参照されたい)　および中国2007度年版の《輸出入税則》(以下《税則》と略称。2007年1月末に正式に販売が開始されるが、それ以前にも関係HPで内容を知ることができる)の両書の編纂が終了した。《統一システム》の修訂が企業の輸出入業務に及ぼす影響は極めて大きいため、以下の各ポイントにつきその内容をご紹介したい。

１．《統一システム》修訂の背景、修訂の概況及びその評価分析

 修訂の背景
　貿易の発展に適応すべく、世界税関機構（以下「WCO」と略称）は4-6年に一度《統一システム》の修訂を行っているが、今回の修訂の背景は以下のようである。
1） 新技術の発達にともないハイテク製品および新製品が急増しており、旧《統一システム》では貿易の需要に応じきれなくなった。
2） 国際社会の環境保護意識はますます高まりを見せ、環境保護問題に関係する製品の品目構成に調整を行う必要が生じてきた。
3） 国際貿易の総量が比較的小さい商品品目（4桁の品目、年間貿易総額が一億米ドルを下回るもの）およびその細目（6桁の品目、年間貿易総額が5000万米ドルを下回るもの）につき、項目の結合や削除を行う必要が出てきた。
4） 語意を厳格に規定することでその理解と使用を統一する必要がある。
5） 一部の商品分類に議論がある。

 修訂の概況
　2007年度版《統一システム》の品目は2002年度版に対し、計788箇条の修訂が加えられ、全80章に及び、600を超える細目となっている。修訂後の《統一システム》の6桁コード番号の総数は5244から5052に減少している。
 評価分析
今回の修訂は国際貿易の安全性を重視するWCOの姿勢を際立たせている。さらにハイテク技術の発達により生じた商品の変化に応じた調整を加えることで、《統一システム》の不断のアップデート化を図り、より時代に即したものとなっているのが特徴である。また国際貿易発展の需要に応じ、国際貿易における、二国間、多国間交渉に対する《統一システム》の影響力を更に強化したものとなっている。

２．2007年度版《統一システム》および《税則》の輸出入企業に対する影響および注意事項

 輸出入企業に対する影響
1）輸出入商品の通関にもたらす影響

2）2007年度各種証書、ハンドブック、税減免証明の申請取得に対する影響
　企業は新《統一システム》のコード番号に基づき上記文書及び証書を申請取得しなければならない。

 注意事項
1） 企業は2007年度版《税則》の分類の変動およびその原則をいち早く理解して自社の輸出入商品の分類上の変化を把握し、同商品の税番号の新旧対照表を作成しておくべきである。
2） 企業は事前に各種証書、加工貿易ハンドブック、税減免証書の申請取得および変更のための準備作業を進めておくべきである。

３．2007年関税調整情況

　2007年中国関税の総平均は9.9％から9.8％に引き下げられる。農業製品の平均関税率は15.2％、工業製品の同関税率は8.95％となる。
 輸入分野：引続きWTO加入時の同意事項に従い、イチゴ等44の項目について輸入税が引下げられる。一部の国の一部の輸入商品に対してそれぞれ協定税率および優遇税率等に優遇措置がとられる。300を超える商品に対して、暫定税率が実施される。
 輸出分野：エネルギー消費率の高い製品に対する輸出関税の徴収範囲が更に拡大される。石炭、原油、石材等のエネルギーまたは資源類製品に対して引続き輸出税の徴収が実施され、エネルギー消費率、汚染度の高い、資源性商品に対し更にその輸出制限が強化される。
 全体情況：現在中国はWTO加入時の貿易関税の引下げについての同意事項をすべて実行済みである。次の段階では更に輸入関税を引下げて、よりいっそうの開放を実現していくことになる。（2007年1月記　1,828字）