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ログイン2018年10月19日
年齢調べ(Aging)というネーミングは経理とはかけ離れた場面で使われていそうで、ここでは少し違和感があるかもしれませんが、資産価値を評価する際に、その賞味期限は大きな意味を持つ事になります。
売掛金のAging Listを作成してその状況を管理する手法は、代表的なケースであり、売掛金残高を発生の時期別に分類して、債権の回収状況・滞留状況を調べることになりますが、回収期限の到来した売掛金の中から異常値を発見し、督促や担保保全あるいは償却処理状況を管理・判定していきます。不良債権と判定されれば、引当金を計上し、あるいは貸倒債権として処理することになります。
具体的には、個々の売掛金が、発生後何か月経過しているかというデータを集計しますが、たとえば顧客の支払条件が「月末締めの翌月末払い」であれば、売掛金年齢が2か月を超過することはあり得ないはずなので、その場合に例えば3か月超の年齢の売掛金があれば、回収期限を過ぎてなぜ回収が滞っているかを調査します。支払いが遅れている得意先に対しては、支払の催促を行い、出荷の一時停止などの対応が取られる事になります。
この管理手法は売掛金に対してだけでなく、在庫に対しても利用され、不稼働在庫の評価や、不稼働在庫と判定された際に在庫評価減や引当てが必要ないかを確認していきます。売掛金のAging Listは市販の会計ソフトにも備わっているケースが多いので、今回は、在庫の年齢調べを紹介していく事にします。監査ソフトには年齢調べを行うコマンドが用意されていますので、在庫データを取り込むことで在庫のAging Listとグラフを作成することが可能になります。
参考として下記のような在庫データのフィールド名を考えてみます。
商品No | 商品名 | 在庫区分 | 倉庫No | 安全在庫 | 売価 | 原価 | 数量 | 金額 | 最終仕入日 | 最終出荷日 |
在庫のAgingはこのようなフィールド名(カラム名)を含むデータを取得する必要がありますが、逆に言えば、少なくともこのようなデータが取り出せるようなデータベースの内容を準備しておくことが欠かせません。
・商品Noと商品名;個々の在庫に対してのユニークなアイデンティティ。
・在庫区分;サマリーとして集計する際にキーとなる区分
・倉庫No;その商品が存在するロケーション
・安全在庫;需要変動などの不確定要素による欠品のリスクを許容限度までに抑える為の在庫のこと。安全在庫の算出は、発注リードタイムの期間内に見込まれる使用量に必要な在庫を加算するなどして計算されます。不稼働在庫が安全在庫を大きく上回る場合は、発注方法になんらかの問題がある可能性を念頭に置き、その原因を調査すべきかもしれません。
・売価;在庫とは直接関連しない情報ですが、売価マスタの商品Noとリンクさせるなどして取り込みます。逆ザヤを判定する際の重要な情報になります。
・原価;一定のルールに基づき算出。
・数量; 継続した入出庫記録で、あるいは棚卸でカウントした数字が表示されます。
・金額;原価×数量で計算。
・最終仕入日及び最終出荷日; 在庫のAging List作成に欠くことのできない要素であり、最終仕入れ日は最後にその商品を仕入れた日付、最終出荷日は最後にその商品を販売のために出庫した日付となります。
このようなフィールドを含むデータを監査ソフトに取り込み、条件設定をそれぞれ
年齢調べの対象;最終出荷日、 仕切日;2017年12月31日、
経過区分の日; 0,30,60,90,120,150,180,240,365 小計フィールド; 金額
としてAging Listとそのグラフを作成すると下記のようになります。
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