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法律講座 外資企業と中国会社法~製造・販売統括はどこまでできるか

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2003年7月23日

2003/08/01 Walker China 8月号 48ページ PDF

法律講座 外資企業と中国会社法~製造・販売統括はどこまでできるか

中国における外商生産企業は、自社製品であれば、国内販売も輸出販売も事業目的とすることができるとされています。では、中国国内外から、製造能力以上の受注または事情により当該時点の製造能力を超えた受注があった場合、他社に製品の製造を委託したり、他社の製品を購入して国内外に販売することはできるでしょうか。

冒頭で取り上げた問題については、生産性企業の生産性保持の必要性と自社製品(中国語では「自産産品」)と商事性会社の認定に関わる問題であります。

(1) 生産性保持の必要性:外貨導入に関する政府の基本方針である「外商投資産業指導目録」は、2002年3月31日に改定されましたが、生産性企業の設立を奨励する一方で商事(性)企業の会社の設立には、なお制限を加えています。また、「内国民待遇」(注1)を原則として貫くとする一方で、外資系企業が事業目的とできない分野もの開放は、日程に沿わなければならないと定められています。生産性企業が商事活動(専ら輸出)を事業目的として従事することが特別に(注2)
許可される規定がありますが、他社工場に製造させた製品(自社で企画)を自社製品として販売した場合、これは「経営範囲」の逸脱ではないかと指摘される恐れがあります。

中国会社法(1993年12月29日発布、1994年7月1日施行、1999年12月25日改定)は以下のように定めています。(以下訳文) 「会社法第11条:
 会社の設立に際しては、本法に従って会社定款を制定しなければならない。会社定款は、会社、株主、董事、監事、総経理に対して拘束力を有する。 会社の事業目的は会社定款をもってこれを定めるうえ、法律に基づいて登記を行う。会社の事業目的の中に法律、行政法規により制限されている部類に関わるものは、法律に基づいて認可を受けなければならない。 会社は登記した事業目的の範囲において事業活動を行なわなくてはならない。会社は法定手続に従って会社定款を改正するうえ、会社登記機関において変更登記をなすことによって、その事業目的を変更することができる」

ただし、会社運営上の都合によって、自社で生産したものではなく、他社の製品を購入して販売する必要が生じることがあります。1987年1月5日、対外貿易部は「外商投資企業の国内製品を購入して輸出することにより外貨バランスを解決する方法(対外経済貿易部関于外商投資企業購買国内産品出口解决外匯收支平衡的辧法)」を公布しましたが、これは外資企業に商事行為を認めた初めての法令となっています。

生産性に直接関連する規定ではありませんが、国家税務局が1994年1月1日に公表した通達によれば、生産性経営収入が全体収入の50%を超えれば生産性企業と認められることとなります。本来、経営範囲を管轄するのは工商行政管理局ですが、同局には明文化された規定(注3)がないため、やむなく税当局の通達が準用されています。この規定が生産性会社の本質が保持されているかどうかの判断基準となる以上、違法行為指摘のリスクを避けるために生産性企業は、全部売上高の中に生産性経営収入を確保する必要があると解釈されます。(2)自社製品については、他社に委託生産をした製品を中国国内で販売する場合、「経営範囲」から逸脱するかどうか、またはこの製品が自社製品といえるかどうかが問題となります。自社製品であれば「経営範囲」に「自社製品の販売」が入っておりますので、当然、国内販売を行っても何ら差支えがないといえます。これに関する工商行政管理局の具体的な規定があるどうかについてははっきりしないので、その意味では税務局のものは参考する価値があります。

さらに、OEMのように他社に委託加工をさせる行為がその会社の「経営範囲」に属するかどうかの最終認定権限は外商投資企業の認可機関にあると解釈されます。 国税局は2001年5月23日、「輸出税金還付に関する若干問題の補充通知」を公布しました。その通知の(二)にこのような規定があります。

「第4項(2000年12月22日、国税局により公布された「輸出税金還付に関する若干問題の通知」をさす)において、委託加工をして取り戻す製品とは、委託者の生産企業が当該製品の経営範囲と生産能力、含む生産経営場所、生産設備、工員などを有さなくてならない。委託者の生産企業が生産任務を過重に負い、達成できない状況において外部会社に委託して加工された製品は、これを自社製品と認定してもよい。」

ここでは、輸出を対象にして定められた基準で、国内販売の場合は、これより厳しい基準で判断されるのに違いありません。現在、専ら販売事業を統括とする目的を果たせるのは、投資性会社(傘型企業の一種)であります。2003年6月10日、これに関する一連の通達を「外商が投資性公司を投資し設立することに関する規定」(中国語=関於外商投資挙効率投資性公司的規定)にして再公布されました。その第14条第1款第1号では「国内国外市場においてその投資企業の製品を取次ぎ販売する」ことができると、定めております。ただ、同規定の第26条では、「投資性会社は、直接に生産活動をしてはならない」と定めており、この規定の裏を読むと判明できるように、生産性企業の商事行為は徐々に緩和されつつあるが、開放されるのは尚時間が必要です。

注1:外国資本により設立された会社を中国資本により設立された会社と差別せず同等に待遇すること。
注2:①1987年1月5日、「対外経済貿易部関於外商投資企業購買国内産品出口解决外匯收支平衡的辧法」、②国家税務総局「輸出税金還付の若干問題に関する通達」(2000年12月22日国税165号)、③対外経済貿易部「外商投資企業の輸出入権の拡大に関する問題の通達」(2001年7月18日)。
注3:大型外商投資企業に関する「外商投資企業の輸出入権の拡大に関する登記管理問題」がある(国家工商行政管理局2002年1月14日公布)

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