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上海ドリームを実現した福旦大学の星 復星集団董事長郭広昌

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2003年7月23日

2003/08/01 Walker China 8月号 10~12ページ PDF

上海ドリームを実現した復旦大学の星 復星集団董事長 郭広昌

投資戦略の天才がねらうのは「外資に勝てる業種」

―バイオ・医薬、不動産、流通業、鉄鋼業を基幹に、中国を代表する企業を目指して―

1992年に登録資本金10万元にて、復旦大学卒業生5人ではじめた会社上海復星高科技(集団)有限公司。10年経ち、復星集団および投資関連会社の総売上340億元(日本円で約5000億円)、中国企業トップ500社の1社となり、上海でもっとも大きな民営企業となった。30代半ばで上海ドリームを体現した復星集団董事長・郭広昌氏にインタビューした。(聞き手・編集部)

○会社を設立した経緯をお聞かせください。

創業者の五人は皆、復旦大学の学生で、とてもいい友達でした。ともに上昇志向があり志を同じく勉強に励んでいました。

私どもが卒業した一九九〇年代初めの頃はいい企業も少なく魅力的な職場も限られていました。多くの人は政府関係の仕事に就きました。私も学校に入り、教師として仕事を始めました。ちょうどこの頃、小平氏の南巡講話があり、私どもはビジネスのチャンスが今まさに開かれたのだと強く感じたのです。やりたいことがまだ定まっていなかった私は、自分のしたいことを見つけるために海外留学をしようと、資金を貯めておりました。あとはその四万元あまりの資金と借りた資金により科学技術コンサルタント会社を設立しました。それから、バイオ・医薬、不動産、流通業、鉄鋼業などの分野に発展していきました。

○ここまで会社が発展した理由についてお聞かせください。

まずチャンスに恵まれていたということです。私どもは当時中国、上海でのビジネスチャンスをつかんでいました。また、私どもは五人で創業することができたため、こわさも感じず、大変チームワークがよくすすめることができました。それと私どもは学ぶことを重視してきたことです。失敗からも、実践からも、他人からも学ぶことが多くありました。

○現在のビジネスと五人の責任分担はどうなっていますか

私どもはコンサルティングの会社からスタートしたのですが、今では複数の分野にわたる集団企業(コングロマリット)となっています。コアビジネスはバイオ・医薬、不動産、流通業、鉄鋼業。今年の売上はそれぞれ三〇億元、四〇億元、三〇〇億元、一五〇億元と期待できると思います。私は復星集団の董事長として、グループ全体の発展戦略、経営方針および政府関係の仕事が中心です。同グループ全体を発展、成長させることをおもに考えています。復星集団の副董事長の梁信軍氏は対外投資・マスコミ・広報分野、汪氏が医薬品分野、範氏が不動産分野、談女史がソフトウェア分野、体育分野というように責任分担をしています。

○今後の課題と対策は

企業はその発展段階においていろいろな問題に直面します。私どもはそのたびに学習し困難を克服してきました。最初は資金難の時代もありました。また、発展段階では人材不足や、将来性のあるプロジェクトが見つからない時代もありました。現在は資金も、ビジネスも、人材も内在する時期ですので、これらをどうシステム化するか、つまりストラクチャーとして確立するかが一番大事な課題となっております。

○日本の読者にたいしてのメッセージをお願いします。

日本の企業は世界的にも大変優れた技術、先進的な経営管理ノウハウをもっています。私ども中国の企業は学んでいかなければならないことがたくさんあります。マクロ経済的に見て、日本は伝統産業のうち競争力のないものを中国などにシフトし、より創造性のある産業へ転換してゆく必要があると思います。この面ではアメリカのほうが進んでいるのではないでしょうか。中国経済は現在発展中であり、日本経済は停滞気味ですが、中日の企業は相互に利益のある関係を築いていくことができるでしょう。

復星集団の投資、発展、合弁戦略に学ぶ

●投資戦略

投資において重要なことは①産業全体の市場規模、利益が大きい分野を選ぶこと、②外資と競争しても生きていける産業を選ぶことです。

具体的にいえば、一つは、生産標準と品質標準が外国と大体同じ産業。また安い労働力と原材料を利用できる産業、たとえば鉄鋼業。もう一つ、地域、物流コスト、消費習慣等に制限され、地域優勢のある産業、たとえば不動産業が挙げられます。

また、私どもは新しい産業に入る前に、二、三年間を利用して、この産業に関する調査と知識養成をとても重視しています。この産業の「ノウハウ」を身につけるのです。「ノウハウ」を身につけた部隊をもった場合に、大規模にこの産業に投資するわけです。

●発展の過程

復星集団は初めて稼いだ100万元で、私どもは全ての借金を返済しました。その後、資金を集中してバイオ・医薬と不動産仲介・販売に投資しました。バイオ・医薬分野では、私どもは最初代理及び研究製造した製品が遺伝子診断試薬PCRです。PCRは当時の世界的でも新しいバイオ技術です。短い時間の間、私どもはバイオ・医薬分野で復星集団にとって、初めての1000万元を稼ぐことができたのです。

当時の不動産仲介・販売分野も新しくできた産業で、不動産会社は不動産広告をまったく出していませんでしたが、私どもはマスコミを利用して広告を出した同時に、購買力のある家庭に広告チラシの送付、消費対象に対しての販売活動を強く力を入れました。だから不動産においても、1993年6月から12月までの半年では不動産仲介・販売分野で1000万元を稼いだのです。

この段階は復星集団の資本蓄積段階です。この段階を経て、1996年から復星の発展はもっと迅速になってきました。合作、購買を通して、新たな戦略パートナー及びよい経営部隊を導入しました。医薬産業と不動産業だけではなくて、流通業、鉄鋼業、金融、IT産業、ソフトウェア及び体育産業にも進出しました。そうして、復星集団は業務拡大の時期に入りました。

●復星集団の合弁

復星集団は融合と開放との企業文化を提唱します。合作、合弁、購買の場合、企業のもともとのブランドを継承し、守ることを重視します、また現地発展を基本に、企業のもとの部隊を重用し、もとの文化を尊敬することを強調します。製品経営方面で十分に権力を放すことと同時に、グループの全体優勢を利用して、共有のプラットフォームをつくって、資源、知識の共有を実現することを通じて、調和的、安定的、長期間的な発展を追求します。

郭広昌氏

創業者の5人は、もともと大学時代はビリヤードの遊び仲間だったとのこと。今でも休みの日はビリヤードを楽しむという郭氏。上海ドリームを実現した30代の経営者は、中国版「Fortune」誌にもランキングした庶民の憧れの的だ。

上海復星高技術(集団)有限公司の企業概況

上海復星高技術(集団)有限公司は1992年11月に5人の復旦大学卒業生により科学技術コンサルタント会社として資本金10万元にて創業された。1994年に上海のもっとも大きな集団型の民営企業となった。創業以来、復星集団は各界の注目を集めるとともに様々な支援をうけた。10年に及ぶ堅実な発展を通じて、バイオ・医薬、不動産、流通業、鉄鋼、金融などの分野にて素晴らしい業績を残している。2002年の復星集団及び投資関連会社総売上金額340億元、総資産202億元。中国企業トップ500社の197位となり、中国民営企業トップ10社のうち7位となった。

上海復星高科技(集団)有限公司
上海市復興東路2号復星商務大廈
021-6332-5858
http://www.fosun.com/

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