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実務Q&A‐地域統括会社の実態

アジアビジネスレポート シンガポール
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2014年9月18日

皆さん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、シンガポール駐在員の岩城です。今回はシンガポールの地域統括会社の実態についてQ&A形式で述べさせていただきます。

Q.
シンガポールに拠点を設け、将来的にはASEAN地域の統括拠点にしたいと思っています。その理由としましては、シンガポールの低税率を利用した税務戦略を考えていますが、その際に留意する点はありますか。

A.
シンガポールへの進出を検討する企業が、シンガポールの低税率を活用しようとするのは、よくある話だと思います。ただ、低税率を利用するためには、ある程度の利益が出ていることが前提であるということを忘れてはなりません。
シンガポールは設立が容易であり、税率も低いという理由から、同国に安易に進出の意思決定をしてしまうのは非常に危険です。国内でビジネスを行う上でも当然ですが、シンガポールでの事業計画を入念に作り込む必要があるでしょう。

例えば、既にシンガポール進出している企業において、地域統括を目指す上で問題になりやすいのは、他ASEAN拠点、日本本社とのコミュニケーション不足です。シンガポールとしては、他のASEAN全体の利益をシンガポールにプールすることで、シンガポールを中心とした国際税務戦略を考えているのかもしれませんが、他の拠点においては、自国であげた利益を吸い上げられることに強い抵抗感を覚えます。これは、ASEANという地域だけでなく、企業全体で取り組む必要がある問題です。

現状、シンガポールの低税率を活かしきれている企業は少ないと思います。本社機能としては、一定の意思決定を任せているかもしれませんが、絶対的なものではないため、当初目指していたものとは異なっているのかもしれません。
ただ、やはりシンガポールはASEANの中心であり、メリットを活かしきる事ができれば、大きな企業利益をもたらすことにもつながります。

既にシンガポールに進出している企業も、これからの企業も、今一度シンガポールのメリットを活かす戦略を図る必要があるでしょう。

以上

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにPT. Tokyo Consultingは、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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