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中国の賄賂に関する規定について Q&A

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2015年4月23日

みなさん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、中国・上海駐在員の田中勇です。本日は中国の賄賂に関する規定についてQ&A形式でお話します。

Q:中国の賄賂に関する規制は、日本とどのように異なりますか。また、企業が取るべき対応を合わせて教えてください。

A:
まず、中国の賄賂に関する規制の適用範囲が、日本よりも広いという点が異なります。日本の賄賂に関する規則の対象は、原則として公務員のみです。会社の役員も不正の依頼を受けて利益などを受けた場合は、収賄罪となると定められていますが(会社法967条)、実務上は背任罪になることが一般的です。一方、中国での賄賂に関する規制の対象は、公務員のみならず、一般企業や従業員も含まれます。
二つ目の異なる点は、帳簿処理上の不適切な記載が賄賂と認められると規定で明確に定められている点です。例えば、財務会計制度に従っていないまたは事実通りに記帳処理しないリベート・値引き、仲介手数料等が禁止行為であると、明確に規定で定められています(商業賄賂行為の禁止に関する暫定規定(国家工商行政管理局令第60号)5~8条)。
実際に、日系含む外資系企業で取締を受けた事例があり注意が必要です。例えば、米国系飲料メーカーが、新商品販売キャンペーン時に小売業者へ、初回販売陳列費等を商品現物で支払ったことが、商業賄賂行為と判定されています。初回販売陳列費として支払った金額は、実質的に売上値引きであるのに関わらず、記帳上で費用処理したことが、商業賄賂と判定された主な原因であると考えられています。ちなみに、上記の事例では、違法所得の没収(65万元)と罰金(5万元)が科されています。
 
上記を鑑み、企業が取るべき対応しては、まず、賄賂行為に該当するリスクがある取引に関して、承認経路や金額制限等の社内ルールを整備しておくことが有効です。金額については、刑法やその他規定に参考となる金額が定められています(「対外公務活動中の贈答品に関する規定」には、200元以下の贈答品であれば使用することができると定められています。)。関連規定等を参考にして、社内ルールの整備を行うことをお勧めします。
次に、会社の法務担当と会計担当の連携を強化し、法務リスクと税務リスクの両方の観点から会計税務処理を行うことが挙げられます。特に、新たに行う商取引や特殊なスキームについては、十分な注意が必要です。会社内のリソースで対応が難しい場合は、定期的に専門家へレビュー依頼することも有効です。

以上

PT. Tokyo Consulting
田中 勇

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにPT. Tokyo Consulting)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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