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ログイン2015年3月9日
中国自動車工業会は1月12日、2014年度末現在の中国自動車産業の現状を以下の様に発表しました(前年度比)。
・新車販売台数: 6.9%増の2,349万1,900台
・自動車生産台数:7.3%増の2,372万2,900台
・自動車輸出台数:6.9%減の91万400台
・エコカー販売台数:3.2倍の7万4,763台
・自動車保有台数:1億5,400万台
更に2月10日発表の2015年1月単月統計は、
・新車販売台数:7.6%増の231万9,600台
・自動車生産台数:11.5%増の228万7,000台
・自動車輸出台数:10%減の6万1,800台
となっており、中国国内の自動車販売と生産は依然として10%増のペースで増えています。
今回はこれらの数字から、中国の自動車産業の現状と、世界や日本に与える影響を考えてみたいと思います。
まず中国市場の規模をご理解下さい。米国は何でも世界一の国ですが、6年前に中国に抜かれ、昨年の国内販売台数は1,652万台でした。ちなみに日本の556万台に比べると4.2倍の規模になります。中国市場では、日産122万台、トヨタ103万台、ホンダ78万台の3社合計303万台が、ドイツのフォルックスワーゲン(VW)368万台、米国のゼネラル・モーター(GM)354万台の各々一社にも及ばないシェアとなっており、更に重要なのは、販売を支える生産体制の増強計画が発表されていないことです。
中国の自動車生産能力は2014年段階で2,500万台と推定され、日本の2.5倍になっています。現在更に中国の90ケ所以上の工場で、2017年までに3,500万台を超える生産増強が発表されています。この中にはVWやGMの500万台生産体制が含まれ、中国国内新車販売台数は2017年では現在より500万台増の3,000万台と予想されていますので、生産能力は500万台分余ります。さて、この分はどうなるでしょうか?
現在中国は欧米・日本より高級車を年間130万台輸入し、低価格の中国製の車をロシア、中近東、アフリカ、中南米向けに90万台輸出しています。日本では報道されていませんが、中国の自動車メーカーは現在輸出している上記の国々数十カ国でCKD(部品輸出、現地組立)による工場を建設中であり、一部は既に生産を開始しています。中国国内市場が拡大期から安定成長期に移行すると、国内で余った500万台分の自動車部品がCKDで新興国に大量に流れることになるでしょう。それはドイツや日本が過去たどって来たのと同じ道です。
20年前、誰も想像していなかった中国の自動車市場と自動車産業(生産能力)の発展。日本を含む先進国は、自分が育てた中国の自動車産業と、これから海外で正面から向き合う(競争)ことになりそうです。
以上
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