8月11日、上海市金融事務局、工商局、財政税務局等部門は共同で『当市株式投資企業の商工登記等の事項に関する通知』（以下『通知』と略称）を公布した。『通知』はプライベートエクイティファンド(Private Equity Fund)、ベンチャーキャピタルインベストメント(Venture Capital Investment、創業投資基金)および民間証券投資ファンドを総称して株式投資企業と呼んでいる。『通知』は計9条からなり、それぞれ工商登記、徴税政策、投資者、業界の自己規制、政府による指導等の各分野にわたって、上海の株式投資企業発展に対する指導的な意見を述べ、かつ資格を備えた国内の各種企業、個人が上海の株式投資企業の発展に参加するよう呼びかけている。

 

1．企業分類

株式投資企業とは合法的に成立しかつ株式投資を主要業務とする企業をいう。株式投

資管理企業とは株式投資企業の委託を受け、株式投資管理を主たる業務とする企業をいう。

 

2.投資者の資格

国内の自然人、法人およびその他の組織ならびに国外の自然人、法人およびその他組織は、株式投資企業および株式投資管理企業の投資者となることができる。

 

3.企業の名称

株式投資企業および株式投資管理企業の名称中の業種は、それぞれ「株式投資」および「株式投資管理」の表現を用いることができる。例えば、「某某株式投資有限公司」等。

 

4.企業の登録資本

株式投資企業の登録資本は、1億元を下回ってはならない。出資方法は貨幣形式による。

株主または共同経営者は自身の名義で出資することを要する。そのうち各自然人株主(共同経営者)の出資額は、500万元を下回ってはならない。有限公司、パートナーシップ(共同経営)の企業形式で設立する場合は、株主、共同経営者数が50名を上回ってはならない。非上場の株式会社形式で設立する場合は、株主数は200名を超えてはならない。

株式投資管理企業が株式会社形式で設立される場合は、登録資本は500万元を下回ってはならない。有限責任公司形式で設立される場合は、実収資本金は100万元を下回ってはならない。

 

5.企業の経営範囲

株式投資企業および株式投資管理企業の経営範囲はそれぞれ「株式投資」および「株式投資管理」と表現することができる。

 

6.企業の経営場所

株式投資企業の経営場所は管理責任を負う株式投資企業の経営場所と同一であってもよい。

 

7.徴税

有限パートナーシップ経営企業の形式で設立された株式投資企業および株式投資管理企業の経営所得およびその他の所得は、国の関係徴税規定に従い、共同経営者がそれぞれ所得税を納入する。

そのうち、有限パートナーシップ企業の共同経営業務を行う自然人の共同経営者は、個人商工経営業者の生産経営所得の徴税項目に基づき、5%-35%の5級超の累進課税率が適用され、個人所得税が徴収される。

有限パートナーシップ企業の共同経営業務を行わない自然人の共同経営者は、「利息、配当金、所得利益」の徴税項目に従い、20%の税率で個人所得税が徴収される。

 

8.情報公開

各会計年度終了後、株式投資企業は速やかに投資者に対し年度報告を行い、株式投資企業の管理、経営、財務等各方面の状況をすべて報告しなければならない。年度報告中の財務会計報告は会計事務所の監査を受けなければならない。パートナーシップ企業の形式で設立された株式投資企業の資産は、経営の委託管理業務を行なう銀行が管理することにより、共同経営者の資産の安全を確保するものとする。

 

9.株式譲渡

　株式投資企業の株式（または出資）は当市の財産権等の市場を通して譲渡することができる。その具体的方法は別途制定する。関係政府部門は、当市の投資項目に関する最新の情報を発表し、株式投資企業に常時投資資源を提供して行くものとする。（2008年8月記・1,512字）