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ログイン2014年5月23日
Key Point: 発明特許出願の公布から特許権が登録されるまでの臨時保護期間において製造、販売、輸入された特許権侵害を申し立てられた製品は、「特許法」で禁じられた状況にない限り、その後の使用、許諾販売、販売について、たとえ特許権者の許可を受けていないとしても、特許権侵害とはみなされない。ただし、特許権者は法に従って臨時保護期間にその発明を実施した企業または個人に対し、適切な費用を支払うように要求することができる。 |
事件の基本背景:
1.深セン市斯瑞曼精細化工有限公司(以下「S社」という)は2006年1月19日に国家知的財産権局に対し発明特許を出願し、当該特許は2006年7月19日に公開、2009年1月21日に登録公告が行われた。登録された発明の名称は「高純度二酸化塩素の調製設備」で、特許権者はS社であった。2008年10月20日、深セン市坑梓自来水有限公司(以下「A社」という)は深セン市康泰藍水処理設備有限公司(以下「B社」という)と「売買契約」を締結し、A社はB社から康泰藍二酸化塩素発生器一セットを購入し、価格は26万元であった。
2.2009年3月16日、S社は広東省深セン市中級人民法院に提訴し、自己の保有する名称「高純度二酸化塩素調製設備」の発明特許(以下「係争発明特許」という)について、B社が製造、販売しA社が使用している二酸化塩素製造設備が係争発明特許の保護範囲にあるとして、二被告に対し権利侵害を停止した上、経済損失30万元を賠償し、訴訟費などの費用を負担する判決を下すように求めた。
3.広東省深セン市中級人民法院は、B社は権利侵害を停止し、B社およびA社は連帯でS社の経済損失8万元を賠償するとの判決を下した。B社、A社はいずれも控訴したが、広東省高級人民法院は、控訴を棄却し、原判決を維持するとの判決を下した。A社は二審判決を不服として、最高人民法院へ再審を申し立てた。
最終判決:
1.S社は本件において発明特許の臨時保護期間における使用料の支払いに関する訴訟請求は提起しなかった。このため本件は主に、係争発明特許の登録後もA社が係争発明特許の臨時保護期間に自らがB社から購入した特許権侵害を申し立てられた製品を使用する行為は係争発明特許の権利を侵害するか、係争発明特許の登録後もB社がA社の使用する特許権侵害を申し立てられた製品にアフターサービスを提供する行為は係争発明特許の権利を侵害するか、が争点となった。
2.特許権侵害行為の認定については、「特許法」の関連規定を全面的総合的に考慮しなければならない。本件権利侵害行為を申し立てられた時期に基づけば、本件には2000年に改正された「特許法」が適用されなければならない。「特許法」では、申立人は発明特許の出願公告から特許登録まで(即ち、特許臨時保護期間)にその発明を実施した企業または個人に対し適切な費用の支払いを要求することができると規定されており、即ち、発明特許臨時保護期間の使用料の支払いを請求する権利を有するが、特許臨時保護期間にその発明を実施する行為に対し実施の停止を求める権利を有するものではない。このため、発明特許臨時保護期間における関連発明の実施は、「特許法」で禁じられた行為に該当しない。特許臨時保護期間に製造、販売、輸入された特許権侵害を申し立てられた製品は、「特許法」で禁じられた状況にない限り、その後の当該製品を使用、許諾販売、販売する行為は、たとえ特許権者の許可を受けていないとしても、認められるべきである。
3.本件において、B社が特許権侵害を申し立てられた製品を販売する行為が、係争発明特許の臨時保護期間内であった場合、当該行為は「特許法」で禁じられた行為とはならない。この状況においては、後続のA社が購入した特許権侵害を申し立てられた製品を使用する行為も認められるべきである。よって、その後もA社が使用する行為は係争発明特許の権利を侵害していない。同様に、B社が係争発明特許の登録後もA社が使用する特許権侵害を申し立てられた製品にアフターサービスを提供する行為も係争発明特許の権利を侵害していない。
4.元の一審、二審判決を取り消し、S社の訴訟請求を棄却する。
筆者コメント:
1.特許権侵害の請求を申し立てられた場合、企業は論理的に分析し、冷静に対応しなければならない。必要であれば法律手段を通じて公正な裁決を求め、慌てて賠償を支払うことで騒ぎを沈めることは避ける。
2.特許事件は、通常、複雑な技術問題と法律問題にかかわるため、企業は適時に弁護士、特許事務所などの専門家に支援を求めることが望ましい。
法令リンク:
旧「特許法」(2000年改正)第十一条、第十三条、第六十三条
現行「特許法」(2008年改正)第十一条、第十三条、第六十九条
(里兆法律事務所が2014年3月4日付で作成)
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