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自動車企業が価格独占で再び巨額の過料:ベンツ社が3.5億の過料に処された

中国ビジネスレポート 法務
郭 蔚

郭 蔚

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2015年11月4日

 2015年4月20日、江蘇省物価局は、北京メルセデスベンツ銷售服務有限公司、メルセデスベンツ(中国)汽車銷售有限公司、北京ベンツ汽車有限公司(以下、「ベンツ社」と総称する)に対して、価格独占を理由に法に依拠し行政処罰に処し、ベンツ社に3.5億人民元の過料に処し、江蘇省南京市、無錫市、蘇州市の販売代理店を786.9万人民元の過料に処したと発表した。これまでのところ、これは自動車企業対象の独占禁止調査において最高金額の過料である。

江蘇省物価局は通達において、ベンツ社は江蘇省内の販売代理店とE級、S級完成車及び一部部品の最低転売価格を限定する独占協定を締結、実施したことは、「中華人民共和国独占禁止法」(主席令[2007]第68号)(以下、「独占禁止法」という)第十四条の規定に違反し、関係市場の競争を排除、制限しており、これにより消費者の利益が毀損されたと指摘している。

2013年1月から2014年7月までの期間において、ベンツ社は電話、口頭での通知又は販売代理店会議の開催により、江蘇省の異なる区域内のE級、S級完成車の最低転売価格を制限した。同時に、ベンツ社は販売代理店に対する考課を強化し、価格限定政策を実施しない販売代理店に対して、面談での警告、政策による支援を減らすことなどにより、独占協定の実施を促した。
このほか、通達には、ベンツ社の蘇州市の販売代理店(2014年1月より)及び南京市、無錫市の販売代理店(2014年1月より)が、ベンツ社主催の下、数回エリア会議を開催し、一部の部品価格を固定する独占協定を締結し、実施したことは「独占禁止法」第十三条規定に違反していることについても触れている。ベンツ社は、当該独占協定の締結および実施の過程において、主導的な・牽引的役割を果たしていた。

江蘇省物価局は、「独占禁止法」第四十六条、第四十九条規定に基づき、ベンツ社に対して、前年度の関係市場における売上高の7%、合計で3.5億人民元の過料に処した。
ベンツ社主催の下、独占協定を締結し、実施した蘇州市、南京市および無錫市の販売代理店に対しては前年度1年間の関係市場における売上高の1%の過料に処したが、独占協定締結に関する状況を自発的に報告し、重要証拠を提供した販売代理店については、法に依拠し免除又は軽きに従い処罰を行った。ベンツ社の蘇州市、南京市及び無錫市の販売代理店に対する過料は合計で786.9万人民元である。

自動車企業が価格独占で行政処罰に処されたのはベンツ社が初めてではなく、2014年8月から2015年5月の10ヶ月以内において、BMW、アウディおよびクライスラーを含む12社の自動車部品企業が続々と中国自動車業種の独占禁止の処罰対象となっている。
また筆者の把握したところでは、東風日産の独占禁止の調査と処罰はすでに最終段階に入っている。同時に、価格独占で省級物価局から行政処罰を受けた自動車企業がその他の省・市において価格独占での行政処罰に処される可能性を排除できない。
ここ数年、価格独占の取り締まりは石油、電信、自動車および銀行などの分野で絶えず実施されており、次はどの分野の企業が独占禁止で取締りを受けるかについて判断できないが、全体的に見ると、国民生活関連分野の企業は特に重視する必要がある。

(里兆法律事務所が2015年7月20日付けで作成 1,371字)

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