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会社の強制清算と破産清算の相違点及びその関係 ― 最近の関連実務における問題点(前編)

中国ビジネスレポート 法務
金杜法律事務所

金杜法律事務所

有料

2019年11月7日

1.はじめに

中国現行法上、会社の法人格を消滅させる方法は大きく分けて普通清算と破産清算の2つの手続が設けられており[1]、普通清算はさらに自主清算と強制清算に分けられる。実務においては、日系企業の場合、その信用、提携先に与える影響などへの考慮から自主清算(すなわち、清算責任者による自主的な会社の清算)を採用するケースが圧倒的に多い。

しかし、最近は自主清算ができない場合の対応方法に関する問い合わせも増加している。また、中国の供給側(サプライサイド)の構造改革の深化に伴い、生産能力の劣化、経営状態の悪化に陥るゾンビ企業が年々増えており、それらの企業は債務を完済する能力に欠け、事実上自主清算を行うことが難しい。そんな中、これらを解消するための手段として、人民法院で行われる強制清算と破産清算の利用がますます増えると思われる。最高人民法院の発表によると、全国の人民法院は2018年に強制清算及び破産に関わる新規事件を18,823件(前年同期比97.3%増)受理し、そのうち11,669件(前年同期比86.5%増)結審したという。そこで、本稿では、強制清算と破産清算にどのような相違点があるのか、両制度がどのような関係にあるのかを中心に比較しながら、最近の関連実務における問題点を検討するものとしたい。

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