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ログイン2007年8月21日
中国の不動産価格が再び上昇傾向に転じている。上海でも一時の不動産ブームは去ったかのように思えたが、ここ数ヶ月の間に、不動産仲介業者が異様に活気を帯び始めている。この上海でさえも、一部マンションでは、売り出し開始直後に長い行列ができるほどになっている。
中国の不動産価格が再び上昇傾向に転じている。上海でも一時の不動産ブームは去ったかのように思えたが、ここ数ヶ月の間に、不動産仲介業者が異様に活気を帯び始めている。この上海でさえも、一部マンションでは、売り出し開始直後に長い行列ができるほどになっている。
中国国家発展改革委員会と中国統計局が8月13日に行った調査で、今年第2四半期では中国全国の70カ所の主要都市で、不動産価格が去年の同時期より6.3%上昇したことが分かった。10%を超えた都市も4都市あった。上昇傾向は6月に入っても続き、全国平均で7%を突破するようになった。この中で、不動産の上昇が著しかったのが深セン・北海・北京の各都市で、今年に入って中国の不動産価格が再び上昇に転じていることが統計上からも明確化された。
中国では一般的に6月~8月の夏場は不動産の契約件数が減少し、値段の上昇が落ち着くはずが、今年に限っては上昇傾向が止まっておらず、新華社の発表した論説をみても、中国の不動産が新たな上昇期に突入したことを明確化している。
●中国内陸部の上昇が著しく
今回の不動産価格の上昇で、その影響が最も大きかったのが中国内陸部の中堅都市だ。1月~6月の半年間の平均の上昇率が全国平均を超えたのも、全体の4割が内陸部の中堅都市が占めている。その中で、代表的な都市が北海だ。特に、新築物件に関しては今年1月~6月では毎月前年比15%以上の伸び率を示しており、4月に関しては23.6%の急激な上昇となっている。北海は、今年上半期のうち、4ヶ月で不動産の上昇率が全国トップとなった。 また、ウルムチ・南寧・洛陽などのいわゆる「2級地方都市」でも、6月の上昇率が前の月と比較して全国平均の1.7%を超えている。不動産の上昇がこれまでは中国東部沿海部中心だったのが、すでに内陸に飛び火していることがわかる。
その証拠に1月~5月にかけて不動産の上昇が著しかった都市として5位以内にランクインしたことがある都市は、北海・大里・蚌埠・沪州があがっている。ここからも、地方都市に不動産高騰が飛び火し出しているのは確実だ。
●中国沿海部の上昇も止まらず
昨今のマクロコントロールで、長江デルタエリアの不動産価格の上昇は、2005年には一時落ち着いたかのように思われた。しかし、今夏の調査では再燃していることも明らかになった。6月のデータでは、南京で前年比11.3%、寧波で8.5%、杭州で6.9%の上昇となっている。また前の月と比較しても南京で0.8%、寧波で1.9%、杭州で0.8%、上海でも0.7%の上昇となった。珠江デルタエリアにある深センに関しては、17ヶ月連続前年比10%を超える上昇となっており、6月に関してはこちらも15.9%の大幅上昇となっている。政府の必死のコントロールにもかかわらず、値上がり傾向が止まらない。
●不動産上昇の原因は何か?
8月19日に、今回の全国的な不動産の上昇をうけて、新華社がその原因について論評を発表している。それによれば、今回の不動産上昇には3つの要素が重なっているとしている。
1.物件が不足している・・・まず、経済の発展に従って一般庶民が不動産を買うことは珍しくなくなった一方で、供給側が不足しているという点だ。マンションの建設スピードが供給の増加に追いついておらず、これがますます深刻化しているというものだ。さらに、交通アクセスなどの整備が追いついていないため、上海では地下鉄付近の物件、外環状以内の物件、低価格の小型物件など特定の物件慢性的に不足している。
中国の統計によれば、2007年上半期の建築物の竣工面積は1.5億平方メートルで、11.1%の増加となっている。これに対して、2007年の住宅販売面積は2.8億平方メートルで、こちらは21.5%の増加となった。住宅に対する旺盛な消費熱が分かる。
2.土地価格の上昇・・・長江デルタエリアでは、土地価格が急上昇している。杭州銭江新城では、5月末に入札された土地価格は1平米あたり11759元で、市中心部の価格よりも高くなっている。上海でも、6月下旬に入札された新江湾城エリアの土地価格は1平米12509元で、これによりマンション価格もこれまでの1平米14000元程度から、一気に1平米19000元の水準まで上昇した。土地価格の上昇が、マンション価格に直接的な影響を及ぼし始めている。
3.売り惜しみ現象・・・中国各地でデベロッパーの売り惜しみ現象が見られているという。すでに、販売可能な状態なのに販売を開始しなかったり、営業サイドでも、例えば契約表を偽造して、あたかも売り切れているように見せかけて、値段をつり上げるなどの行為が散見されている。
また、1年半程度で不動産を転売する投資家も相変わらず多い。30~40%程度の最低限の頭金を準備して、あとは銀行ローンを使って投資する人も多く、お金があれば不動産に投資するという不動産神話が相変わらず後をたたない。
中国の不動産の急騰が再び明らかにされ始めた昨今、すでに不動産バブルに対する警鐘も出始めている。新華社が行き過ぎる不動産価格に対して論評を加えたのも、そうした背景があるからに違いない。(2007年8月記 2,093字)
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