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ログイン2016年7月29日
8月に入りました。連日30度を超える日が続き冷たい飲み物やアイスクリームが恋しい季節です。日本アイスクリーム協会の「アイスBiz実態調査2012」によると、気温が30度を超えると「かき氷」を食べたいと思う人が増えるそうです。ただし25度では半数近くの人がアイスクリームを選ぶ、とのことです。今回は中国の冷菓・氷菓市場を取り上げます。
古来中国では夏場でも暑いお茶を飲み、庶民は白湯(サユ)か、煮沸したお湯を冷ました「涼開水」を飲料水としていました。この習慣は冷蔵庫が普及するつい最近まで中国各地で見られ、アイスクームやシャーベットのような冷菓・氷菓は北京や上海の高級ホテルでしか手に入らない貴重品でした。それが今世紀に入り中国が豊かになるにつれて、中国冷菓・氷菓市場は劇的に変化します。
ロンドンの食品・飲料調査会社「Mintel」に依りますと、2014年の中国アイスクリーム販売額は114億米ドル(1兆2,000億円)で、08年比90%増となり世界最大のアイスクリーム市場になった、と報告されています(日本は4,000億円規模)。
中国の冷菓・氷菓産業はアイスクリーム、アイスミルク、アイスキャンディー、氷菓、シャーベット、食用氷、その他冷凍菓子の7種類に分類されており、2013 年の生産量は前年比12.3%増の285 万6,100 トン、14 年の生産量は前年比8.0%増の308 万5,700 トンに達しました。生産は華中地区(河南省、湖北省等)が24.4%、東北地区(吉林省、遼寧省等)が20.9%と北方に集中しており、年間売上高が2,000 万元(約3億2,000万円)以上の冷菓・氷菓メーカー数は約200 社となっています(政府食品生産監督管理局統計)。
国産アイスの三大メーカーはアイスクリームの有名ブランド「八喜」を生産する北京艾莱発喜食品(北京三元食品傘下)、乳製品最大手の内蒙古伊利実業集団(フフホト市)、同業界2位の蒙牛乳業集団(こちらもフフホト市)です。3社ともニュージーランドに大規模牧場を経営しており、原材料を中国に輸入してアイスクリームを製造・販売しています。
一方中国の巨大市場を目指して海外メーカーの参入が相次いでいます。乳製品輸出で世界最大手のニュージーランドのフォンテラは今年6月、家庭向けの高級アイスクリームをアリババの通販サイト「天猫(Tモール)」に出店。スイス食品大手のネスレは先行して中国で製造・販売をしており、付加価値が高い商品ブランド強化で成功しています。それを見て現在猛追しているのがアメリカ発祥のハーゲンダッツ(中国語で哈根達斯)。日本国内にはないレストラン形式の直営実店舗が中国では約200店運営されており、日本では240円のミニカップが中国では33元(530円)で販売されています。訪日旅行者の「爆食い」一番人気が日本の安いハーゲンダッツだそうです。
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