こんにちわ、ゲストさん

ログイン

日中比較文化論(Ⅲ)面子に生きる中国人

中国ビジネスレポート 労務・人材
旧ビジネス解説記事

旧ビジネス解説記事

無料

2007年10月20日

記事概要

 中国社会で「関係」と共に非常に重要なキーが「面子(mian zi)」です。誰でも面子を大事にしますが、中国人にとって面子をつぶされると言うことは正に人格そのものを否定されると言うことになり、耐えられないほどの屈辱を強いられることになってしまいます。

 中国社会で「関係」と共に非常に重要なキーが「面子(mian zi)」です。誰でも面子を大事にしますが、中国人にとって面子をつぶされると言うことは正に人格そのものを否定されると言うことになり、耐えられないほどの屈辱を強いられることになってしまいます。

 自分の過ちや間違いをなかなか認めようとしないのもこの面子を守るためなのです。中国人があやまらないとよく言われるのは謝罪の言葉を述べると言うことは自分の誤りを認めることであり、まして人前で自分の面子を自分でつぶすような自殺行為はしたくないからです。

日本人は自分が悪くなくても思わず「ごめんなさい」とか「すみません」と誤ってしまいますので、中国人からすれば日本人は何と不思議な民族だと思われていることでしょう。

 

叱る時は二人きりで

 私が中国人の部下に叱ったり注意をしたりする時、必ず心がけていることがあります。

それは面子を重んじる中国人を同僚の前でその過ちを叱責することは避け、他に誰も

いないような場所で話をするようにしていることです。実は最初からそうしていたわけではありませんでした。一度苦い経験があったからなのです。

 中国人スタッフのR君が大きな失敗をしてしまったことがありました。日本からの

VIP特別斡旋依頼のファックスを受け取ったのですが、外出していた私に後で渡そうと思っていながらそのまま忘れてしまっていたのです。

 当日になって空港に出迎えに出たガイドから「お客様が北京事務所の所長が出迎えに来ているはずだと言われるのですが…。」と電話がありました。市内から空港までは車で40分。今すぐ空港まで行くにはお客様を大変お待たせしてしまうので、ホテルにてお出迎えすることにしてもらいました。

 ホテルのロビーで連絡の不備を丁重にお詫び申し上げ、何とかお許しをいただきましたが、事務所に帰った私はこんな基本動作ができなかったR君に少々興奮気味に叱ってしまいました。

 彼は「最初にファックスを見たのは私だが、所長の机のところに持って行こうとした時に電話が鳴り、N君がなかなか電話に出ようとしないので私が電話に出たところ、

企業視察の視察先についての細かい問い合わせで、その回答のためファイルを開いて

机いっぱいにカルテを広げ、長時間説明したあとでファイルを元に戻した時に一緒に

紛れ込んでしまっていた。あの時N君が電話に出ていてくれたらこんなことにならなかったのに。」と謝らないばかりか人のせいにするのです。

 私がキレたのは彼の「ファックスが来た時に所長がいなかったから…。」という言い訳を聞いた時でした。

「いつ来るかもわからないファックスをずっと待ってろと言うのか! どうしてすみませんでしたの一言が言えないんだ!」と思わず語気を荒げてしまいました。

 同僚の前で叱られた彼はむきになって、「私は会社のために電話に出て一生懸命対応した。それなのに何故叱られるのか分からない。」と決して謝らないのです。

 その場はもうそれ以上言いませんでした。なぜなら普段おとなしい性格の彼が顔を

真っ赤にして不満を表していたからです。

気まずい雰囲気の時間が過ぎました。やがてもう一人のスタッフが出かけて行った時、彼を所長室に呼んでもう一度話をしました。私の方から「さっきはチョット感情的になってしまい申し訳なかった。でも貴方も確かに忙しかったのかも知れないが、結果的に

お客様にご迷惑をかけたことは事実だし、そのことに対しては自分のミスを認めなくてはいけないね。人間のすることだし、誰にでもミスはある。大切なのは同じミスを二度と繰り返さないことなんだから。」と諭したところ、他に誰もいない安心感からか素直に「申しわけありませんでした。今度から気を付けます。」と言ってくれました。

 この事件以来私も部下を叱る時には彼らの面子を考え、決して人前では叱らないように心がけるようになりました。

 

私にも面子を下さい! 無理しても奢ろうとする部下社員

 これは私と中国人スタッフW君とのできごとです。

私は中国人社員と食事をする時は必ず私が支払いをしていました。

やはり私のほうが年上で、上司でもあるし、給料も多い(彼等と比べてと言う意味で、そんなに法外な給料をもらっていたわけではありません)ことからしても当然と思っていました。

 W君は当時私が住んでいた日系航空会社系列、Kホテルの女性スタッフと交際をしていて、彼女とデートをするのはいいのですが、彼女の勤務時間がスライド制のため遅番の時にはホテルに住んでいる私の部屋でテレビを見ながら時間をつぶすのです。

 最初は遠慮がちに「所長、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、彼女の勤務時間が終わるまでちょっと待たせてもらえませんか」と言っていたのが、何回か目になると

私の部屋をノックして、私がドアを開けると「あぁ所長!お疲れ様で~す。」と言って

何の遠慮もすることなく入ってくるようになりました。

 ローカルスタッフとの友好関係を維持するため、「NO!」と言えない日本人の私は

彼にビールや食べ物を勧めながら、「なんで私が気兼ねしなくちゃいけないんだ!」と我ながら情けなくなることがよくありました。

 彼女の勤務が午後8時までの時、残業でまだ食事をしていなかった私は、私の部屋でテレビを見ているB君に「たまには3人で食事しようか」と誘いました。もちろんいつものように私が奢ると言うことで快く了解してくれると思っていたのですが、この私の心遣いがかえって彼に迷惑をかけることになるとは思いもしませんでした。

 私は二人のために豪華な夕食を提供し、その後は二人にゆっくりデートを楽しんで

もらうつもりで、前門に新しくできた広東料理の店に予約を入れました。

このお店は香港資本との合弁レストランで、内装も豪華で料理もおいしい代わりに料金も一流といった高級レストランです。

 もちろん彼も彼女も初めて入る高級レストランであり、予約席へ案内する服務員の

他の国営レストランでは決して見ることのできない礼儀正しい接客態度に驚いたように感心していました。

 料理のオーダーをする時、彼に「私が奢るから何でも好きなものを注文していいよ。」と勧めたところ、「いえ所長、今日は私が払いますから。」と言うのです。

私の部屋で食事に行こうと誘った時にも彼が「今日は私が払います。」と言っていた

のは知っていますが、「いいよ、無理しなくっても。」と言って気にしていませんでした。

 最終的には私が払うつもりだったので、彼の再度の申し出にもあえて反対せず聞こえないふりをしていました。

 青島ビールとおいしい広東料理で幸せ気分一杯の3人でしたが、支払いの時になって一気に気まずい気分になってしまいました。

 服務員が私に請求書を持ってきた時、B君がそれを奪おうとします。

私は最初から奢るつもりだからと言うのですが、彼は自分が払うと言って聞きません。

このようなやり取りが何度かあり、とうとう彼の口から「私にも面子を下さい。」と

言う言葉を聞いた時、私は頭から冷水を浴びせられたようにハッとしました。

 やはり彼女の前で上司に奢ってもらってばかりではないと言うことを誇示したかったのでしょうが、このような面子のために自分の給料の1か月分を使ってしまうようなことは日本人の私が彼の立場であれば出来たかどうか疑問です。

日本人であれば「ラッキー!ご馳走様で~す。」とちゃっかり上司に奢ってもらうのが普通だと思います。

彼女の前でも、そこまで見栄を張る必要はないと考えるのが大抵の日本人でしょう。

W君はこのために次の給料日までかなり切り詰めた生活を強いられることになっても、自分の面子を立てることのほうが重要だと考えているのです。

 面子を日本人以上に重要視する中国人と付き合う時は相手の面子が立つように私達も注意をする必要があることを痛感しました。

 それ以後、彼女とデートの時以外はB君となるべく一緒に食事に行くようにしました。

彼の残り少ない所持金で次の給料日まで持たせるために私が奢っているのです。

でも彼は面子があるので相変わらず3回に1回は「今回は私が奢ります。」と言うの

ですが、私が「貴方の面子はよく分かっているが、今月だけは私の面子を立ててくれ。」

と言うと、素直に聞き入れてくれました。面子も彼女の前と彼女がいない時では少し違っているような気がするのは、私だけでしょうか?

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ