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労働仲裁制度の新変化

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旧ビジネス解説記事

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2008年2月4日

記事概要

 「中華人民共和国労働争議調停仲裁法」は2007年12月29日、全国人民代表大会常務委員会による可決を受け、2008年5月1日から施行されることになっている。同法と現行の労働仲裁制度を比較すると、以下のような相違点が現れている。

 「中華人民共和国労働争議調停仲裁法」は2007年12月29日、全国人民代表大会常務委員会による可決を受け、2008年5月1日から施行されることになっている。同法と現行の労働仲裁制度を比較すると、以下のような相違点が現れている。

 

1.労働争議仲裁時効期間は60日から1年へ延長

同法では、労働争議仲裁申立の時効期間を1年とした上、当事者がその権利侵害を知った又は知るべき日より起算すると規定する。ここで注意すべき点は、労働関係の存続期間中、労働報酬の不払いに関わる労働者による仲裁申立は1年の申立時効の制限を受けないことである。ただ、労働関係が終了した場合、労働関係の終了日より1年以内に申し立てなければならない。

 

 

2.立証責任の分配

同法第6条によれば、労働争議について、当事者はその主張について証拠を提出しなければならない。争議事項に関わる証拠が使用者に保有されている場合は、使用者は提出しなければならない。使用者は、不提出による結果に責任を負わなければならない。

同法第39条第2項によれば、仲裁請求に関して労働者が使用者に保有されている証拠を提出することができない場合、仲裁廷は使用者に対し指定期間内に提出するよう要求することができる。使用者が指定期間に提出しない場合、それにより生じた結果を負担しなければならない。労働争議の仲裁においては、通常証拠の面で使用者が優位に立つが、当該条項をもって使用者が給与支給記録、出勤記録、規則制度などの証拠提出を拒むという問題を改善しようとするわけである。

 

 

 

3.労働争議仲裁期間の短縮

同法では、労働争議仲裁委員会が仲裁申立を受理した日より45日以内に労働争議案件を終えなければならないと規定している。又、案件が複雑で延長する必要のある場合、労働争議仲裁委員会の主任の許可を取得した上、延長することができるが、延長は15日を超えることができない。

これに対し、現行の労働争議仲裁制度として、「労働法」は通常仲裁申立を受理した日より60日以内に仲裁判断をだすべきものとしている。又、案件が複雑で延長する必要のある場合は、法定手続に従い許可を取得した上、30日を上限に延長することができる。

 

4.条件付の訴訟提起禁止

同法の下では、労働報酬、労災医療費、経済補償または賠償金、最低賃金の12ヶ月分を超えない金額の支払に関わる争議と、勤務時間、休日休暇、社会保険等による争議についての仲裁判断に対し、労働者は不服である場合、仲裁判断書を受け取った日より15日以内に人訴訟を提起することができる。しかし、使用者は、上述の仲裁判断に手続違反等があることを証明できなければ、裁判所に仲裁判断の取消を求めることができないのである。

 

5.労働争議仲裁に無料

現行の「企業労働争議処理条例」では、仲裁を申し立てた場合、国の関連規定に基づき労働争議の当事者が仲裁費用を納めなければならないと規定しているが、同法は、労働争議仲裁の費用を不要にしている。(2008年2月記・1,219字)

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