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中国で伸びる携帯電話を追うルネサスのIC事業展開―携帯液晶パネルのカラー化の波―

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2004年9月11日

<各業界事情>

中国で伸びる携帯電話を追うルネサスのIC事業展開
―携帯液晶パネルのカラー化の波―

アジア・マーケット・レビュー 2004年8月1日号掲載記事)

 国内最大の半導体メーカーのルネサステクノロジ。携帯電話の世界的な普及と表示パネルのカラー化の波に乗ってさらなる躍進を目指している。カラー表示の要となる液晶ドライバICを武器に一気にシェアアップに動き出す。デジタル家電の主力生産基地となっている中国で、製造設備の増強を計画するなど着々とアジアでの事業基盤を固めている同社に今回は注目した。

セットメーカーがアジアを目指す

 2004年の携帯電話の世界需要は5億台といわれている(パナソニックモバイル予測)。その中で、中国を先頭にアジア全体の販売台数は1億8,000万台以上となり、欧州の1億3,000万台、北米の9,000万台を抑えて、もっとも携帯電話の需要が多いエリアになっているのだ。
 なぜ、今さら携帯電話の買い替え需要が増えるのか。それは第3世代の通信方式に変わっていくためと、携帯電話をカラーモニターに切り替えたいという二一ズが強いからだ。日本ではすでにカラーモニターが主流になっているが、世界の携帯電話のモニターはまだまだモノクロ表示が多い。
 カラー化することで、携帯電話の機能が大きく変わる。それまで、文字を表示するだけに終始していたのが、カラーになることで、写真、動画撮影、テレビ鑑賞といった機能が同時に付加される。携帯電話で何でもできる時代へとなっていく。
 この流れを利用してモバイルメーカー各仕が増産計画を打ち出している。日本のセットメーカーも例外ではない。世界のモバイルメーカー各社のシェア順位は、1位がノキアで34.7%、1億8,000万台。2位がモトローラで7,500万台、14.5%、3位はサムスンで5,400万台、10.5%の順。日系メーカーでは7位にパナソニックモバイノレコミュニケーションズ、8位にNECで、各1,500万台程度と2%のシェアを獲得している(ガートナーデータクエスト調べ)。
 中国でもやはり、モトローラ、ノキアなど欧米勢が上位を占めているが、日系メーカー各社は今年度4,000万台以上に増産する計画で動いており、中国では300〜500万台の販売台数を日標に掲げて動きを加速化する。
 携帯電話の世界の生産台数の50%以上が中国で生産され、マーケットも月間500万台ぺ一スで拡大を続ける。すでに携帯電話加入者は3億台を突破、中国を抜きにして携帯電話市場は語れないといっても過言ではない。
 世界のモバイルメーカーの動きを虎視眈々と狙っているのが、日系デバイスメーカーだ。携帯電話に入っているほとんどのデバイスは目系メーカー製だ。ノキアやモトローラといえども日本のデバイスを使うことなしに携帯電話を製造することはできない。
 中でも、液晶モニターのカラー化で重要な役割を果たすのが、液品ドライバICと呼ばれる半導体で、この分野で世界シェア36%を獲得しナンバーワンに輝いているのが、ルネサステクノロジーだ。

デバイス製造もアジアヘ

 ルネサスは北京と蘇州の組立工場の増強や販売拠点の増設、統括会社設立で、一般家電用のマイコンなどの売上げを2003年度800億円から2007年度3,000億円まで引き上げ、中国でのシェアを5%に高める計画を6月末に発表した。
 東芝やNECエレクトロニクスといったルネサスの競合メーカーも、こぞって中国アジアの製造販売拠点の拡充に動いている。携帯電話の分野では、カラー化と高機能化のためのキーデバイスの増産に追われている状況がしばらく続きそうだ。
 日系デバイスメーカーのフジクラ、日立GSTなどデジタル家電の部材工場をアジアで増産するメーカーは後を絶たない。
 半導体は、まだ主力製品の生産は技術の流出を恐れて日本国内に製造拠点を置いているが、今回のルネサスの北京工場のケースに見るように、組立など後工程部分の比較的一般的な製造ラインはアジアにシフトする傾向がある。
 しかし、ルネサスは液液晶ドライバICの生産拠点を海外に出すことは考えていない。同社の虎の子である液晶ドライバとは一体どういうものなのか。

液晶ドライバを制するもの

 液晶ドライバICとは何か。文字通り取れば、液品画面を駆動制御する半導体である。携帯電話の液品モニターはモノクロから始まり、2000年ごろからカラー化して、表示範囲、色数とも飛躍的に拡大した。それに伴って、液晶ドライバの負担が大きくなったため、半導体メーカーの製品改良の苦労が日々続いている。
 デジカメやDVCなどに通常使用されるカラーTFT液晶モニターのドライバとは、かなり事情が異なるようだ。ルネサスが世界シェア36%を占めているワケは、携帯電話の液品ドライバの分野で先駆的な成果を上げたからだった。2002年に開発した「HD66773」で、世界で初めて液品ドライバのワンチッブ化に成功。液晶モニタのガラス基板の上に設置することから「チップオングラス」と呼ばれる。
 大きさは幅3

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