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ログイン2007年1月7日
上海市の一部地区では2006年10月より、外国人の不動産購入に対して厳しい制限をつけるようになっている。不動産市場の加熱と人民元切り上げを狙った外国人投資家による不動産投資を水際で食い止めるための規制ともいえよう。さらに、2007年度には面積の大きな高級不動産の保有に関しても、一定の税金が課される可能性が出てきた。関係者によれば、2007年4月以降にも具体的な政策が出されると予想されている。
上海市の一部地区では2006年10月より、外国人の不動産購入に対して厳しい制限をつけるようになっている。不動産市場の加熱と人民元切り上げを狙った外国人投資家による不動産投資を水際で食い止めるための規制ともいえよう。
さらに、2007年度には面積の大きな高級不動産の保有に関しても、一定の税金が課される可能性が出てきた。関係者によれば、2007年4月以降にも具体的な政策が出されると予想されている。
1.不動産購入者は中国に合計1年の滞在記録が必要に
上海で不動産を購入する場合、登記等の諸手続きは上海市内各地区の房地産交易中心で行われる。仮に不動産仲介業者が噛んでいて、登記手続きなどを代行してくれても、結局は房地産交易中心での諸手続きが大切で、房地産交易中心のHPを利用すると、インターネットで物件の権利状況なども検索できるようになった。このため、事実上、房地産交易中心では、仲介業者を通さなくても当事者同士が不動産取引をできるようなシステムを備えている。
上海市浦東新区や静安区、宝山区などの房地産交易中心では、早くから外国人(香港・マカオ・台湾も含む)の2軒目の不動産購入を制限している。ここからも分かるように、外国人が上海で買うことができる住宅は1軒目の自宅用としてしか認められないことになる。そのため、自宅用であることを示すために、これまで累積1年間中国に滞在していたことを証明しなくてはならないことになった。この場合、パスポートの出入国記録などが参考にされる。黄浦区や閘北区の房地産交易中心でも同様の証明が求められるようになったとのことだ。
これら規定は、2006年7月24日に建設部から発表された『関於規範房地産市場外資準入和管理的意見』に基づくもので、この中に中国で不動産を購入する場合、中国で1年以上仕事、留学をしていたことを証明しなければ購入できないということを明文化している。
ただ、実際には厳密に行われていいない点も留意しておく必要がある。今のところ、上海市でも虹口区や盧湾区では香港・台湾・マカオの住民に対しては、中国に1年滞在の規定を課しておらず、それ以外の外国人に対して必要な証明の提出を求めている。さらに、徐匯区や普陀区になれば、外国人が不動産を購入するに際しての制限通知すら受けていないというケースもあり、各地区によって足並みが乱れているようだ。
こういった外国人の不動産購入に対する諸規制に対して、最も影響を受けているのが高級物件だ。上海の著名な観光地・ビジネスゾーンでもある「新天地」のある高級マンションでは、これまで月10軒程度のペースで売れていた物件が、10月の規制が出されてから一気に月3軒程度のペースに落ち込んでしまった。
ここから分かるように、上海市が一貫して外国人に対して不動産の購入を制限しようとする動きに出ていることは確かだ。今のところ、上海市関係機関から全市的な強制的な通知は出されていないようだが、すでに各地区の房地産交易中心にて外国人向けに制限が出されている。場合によっては、自宅用として使うということを承諾する書類にサインさせられるケースもある。これまで、外国人の不動産購入に対して一切の制限がなかっただけに、ここ半年以内の変化は大きいといえよう。
2.大型物件に対する課税の動き
現在、中国建設部内部で、面積の大きな物件に対して不動産保有税を課す方向で検討に入っている。70%以上の土地に90平米未満の小型物件の普及(通称:90/70)を目指す中国では、大型新築物件の数を減らす方向で動いているので、それにあわせた政策といえよう。
具体的にどの程度の面積以上に課税されるかには諸説があるが、一般に120平米以上のマンションに関して課される可能性が高いとみられる。144平米以上という話も出ている。ただ、時期的には2007年4月以降に発表されるものとみられており、議論が進められている「物業税」の一環として、年単位で納付することになりそうだ。
大型物件に課税を増やすことで、不動産の加熱防止に一定の効果を与えるものと見られている。さらに、上海などの大都市では、他地区よりも不動産の価格が高いため、さらに高い税率が導入される可能性も否定できない。
現在、中国では一戸建て住宅の建設もほぼ不可能な状況となり、1戸建て住宅の高騰がはじまっている。今後、面積の大きなマンションの建設は減るものと予想され、新たな投資対象となる可能性もでてきた。いずれにしろ、2007年は行き過ぎた経済過熱にブレーキをかける方向に大きく前進しそうだ。(2007年1月記 1902字)
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