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新連載【News Watch!】使い捨て削減に挑む「循環経済促進法」

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2009年1月3日

記事概要

2009年1月1日より、中国では「循環経済促進法」が施行された。これにより、「減量化、再利用、資源化」の原則が打ち出され、無駄を省いた資源の有効利用、廃棄物の削減をめざし、持続できる経済発展の実現を目指すとしている。 ただ、この法律の施行にともない、使い捨て用品が多いホテルや外食産業では、環境対策へ向けての大きな挑戦ともなる。

2009年1月1日より、中国では「循環経済促進法」が施行された。これにより、「減量化、再利用、資源化」の原則が打ち出され、無駄を省いた資源の有効利用、廃棄物の削減をめざし、持続できる経済発展の実現を目指すとしている。 ただ、この法律の施行にともない、使い捨て用品が多いホテルや外食産業では、環境対策へ向けての大きな挑戦ともなる。

  中国のホテルでは、まだまだ欧米などと比較しても、使い捨て用品が多いことに気がつく。例えば、使い捨てのスリッパもそうだろう。日本では早い段階から再利用可能なスリッパが使われているが、中国ではまだまだ使い捨てが主流だし、欧米では高級ホテルでもスリッパを置かない部屋も少なくない。さらに、シャンプーやリンスなども、中国ではいまだに小さな容器にいれていて、そのつど廃棄されるケースも多い。そこで、上海市の星付きホテルでは、無駄を省くためのさまざまな取り組みが行われ始めた。

  上海旅遊協会によると、上海市でも過去には石けんなど宿泊客が完全に使い終わらなくても毎日廃棄していた。連泊する場合でも、毎日捨てていたのだという。しかし、最近では宿泊客からの要望がない限り、そのまま置いておくようにしているという。これは、シーツやタオルに関しても同じで、連泊する場合は、極力同じものを宿泊客に使ってもらうという方針にかわっている。こういった取り組みは、70~80%のホテルで実行されるようになった。また、シャンプーやリンス、ボディーソープに関しても、大きな容器を置いておき足りなくなったら補充するようにし、小さい容器の浪費を防ぐようにした。こういった取り組みも、上海のホテルの50%前後で行われるようになった。

  そのほか、ミネラルウオーターの浪費も問題となっている。上海のホテルでは、大抵無料でミネラルウオーターのボトルが設置されているが、多くの宿泊客は完全に飲みきらずに捨ててしまうという。これは、会議などで出される水にでも言えることだが、飲みきらないペットボトルの水の浪費は、中国でもよく見受けられる。
外食産業に関しても、使い捨ての食器やお箸の使用を減らす動きに出ている。上海市内でも、有名ホテルを中心に、使い捨て食器や使い捨てお手ふきの使用をやめる方向で進んでおり、すでに実施されている。
ただ、問題点もないわけではない。中国では、政府の規定により★つきのホテルは、必ず歯ブラシなどのアメニティーグッズを備え付けなければならず、ホテル側も使い捨ての備品を置かなければ、客が逃げてしまうのでは?という不安を抱えている。宿泊客側もこうしたアメニティーグッズが当然あるモノとして旅行している現状を改善する必要がある。

  1月1日から施行された『循環経済促進法』では、安全と衛生基準を満たした上で、使い捨て用品の使用を制限することを明記している。また、こうした生産業者に関しても、生産や販売を制限させ、輸出にも国の監督が入ることになる。そのため、使い捨て用品の価格上昇は必至と見られており、ホテルでの宿泊客への提供が減っていくことは間違いない。さらに、宿泊客サイドでの意識改革も必要で、歯ブラシやタオルを持ち歩くといった基本的な取り組みを広めていく必要がありそうだ。

 

参考記事:新聞晨報 2008年12月31日
筆者ブログ:「我が愛しの上海へ」
(2009年1月記・1,328字)
 

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