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ログイン2006年10月24日
<金融・貿易>
2006年9月14日、中国財政部、発展改革委員会、商務部、税関総署および国家税務総局等の5部門委員会は共同で『一部商品の輸出税還付率の調整及び加工貿易禁止商品目録の増補に関する通知』(以下『通知』という)を公布した。同『通知』は、相当数の商品の現行輸出税還付率について調整をおこなうとともに、2005年12月に中国商務部、税関総署。国家環境保護総局が共同で公布した『加工貿易禁止類目録』を基礎として、加工貿易禁止類の商品目録を増補した。同『通知』は9月15日より実施され、中国国内で対外貿易および加工貿易に従事する企業に対して重大な影響を及ぼすことが見込まれる。 今回の政策調整の状況について、以下に紹介する。
1. 政策調整の主要内容
2. 政策調整の背景および目的
(1) 政策調整の近因 近年来中国は貿易黒字の増加が著しく、これによってアメリカ、EU、日本等の世界の主要経済体からの圧力を受けることとなった。中国政府は、中国政府の目標は輸出入の基本的なバランス維持であり、貿易黒字は追い求めないとすでに宣言している。 同時に、政府が2006年4月から開始した新段階のマクロ経済コントロールにおいても、貿易黒字を合理的な幅に収めることが要求されている。 (2) 政策調整のマクロ的な原因 政府としては産業構造の調整および改善の推進、経済成長方式の転換、経済成長のクオリティの向上を望んでいるため、税率の調整を通して、「両高一資(汚染度が高い。エネルギー消費が多い。資源の消費が多い。」製品の生産を制限する必要がある。
3. 還付政策調整の影響
政策調整のプラス面 (1) 産業構造の改善。中国の輸出製品の多くは従来型の工業形態が主要な地位を占めており、製品構造が比較的単一である。ハイテク・高付加価値の製品の割合は少なく、労働密集型、資源消耗型の経営モデルに該当するものが多い。『通知』では、「両高一資」製品の輸出税還付率の廃止または引き下げをおこない、新しいハイテク製品については引き上げているが、その主な目的は産業構造の改善にある。 (2) 多額の貿易黒字を調整することで、人民元の切り上げに対する圧力を軽減する。
政策調整のマイナス面。 (1) 税還付率が引き下げられ税還付による収入が減少する。 (2) 輸出コストの増加により企業の利益獲得能力が減少する。大まかに計算して、輸出税還付率が1%下がるごとに、一般貿易の輸出コストが1%増加することになり、企業が損失を被る可能性がある。 (3) 企業の国際市場競争力の低下。中国の多くの輸出製品は労働密集型であり、国際市場では主に低廉な労働力に依存し、その価格により国際市場での優位を勝ち取っていたが、税還付率が引き下げられると輸出製品のコストが増加し、製品の価格的な優位性が弱まり、国際市場での競争力が下がることになる。 現在加工貿易に従事している一部の企業の市場撤退を招く。
(2006年10月掲載・1,701字)
上海里格法律事務所 所長 |
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