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商品分類の新動向

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2006年11月8日

記事概要

輸出入商品分類について皆様はご存知でしょうか?もちろん、貿易業界でご活躍されている総経理の方々にとってはきっとなじみのあることかもしれません。しかしここでは、皆様に輸出入商品やその新動向をより理解していただくために、以下簡単にご紹介いたします。

 

輸出入商品分類について皆様はご存知でしょうか?もちろん、貿易業界でご活躍されている総経理の方々にとってはきっとなじみのあることかもしれません。しかしここでは、皆様に輸出入商品やその新動向をより理解していただくために、以下簡単にご紹介いたします。

 

●商品分類とは?

 

税関は輸出入商品の性質、用途、性能または加工の程度などにあわせて分類しなければなりません。このような税関の管理の目的に応じて輸出入商品を区別するやり方を税関輸出入商品分類といいます。

 

●『HSコード』の簡単な紹介

 

   輸出入商品の分類の依拠は世界税関組織が結成した国際的な専門家研究チームが制定した『商品名称及び分類についての統一システム』(Harmonized Commodity Description and Coding System、略称H.S. 以下『HSコード』といいます)です。中国国務院の許可を受けて中国税関は1992年1月1日から『HSコード』を採用し始めました。

   『HSコード』の第一版は1988年に修正され世界中で広く採用され、その後1992年、1996年、2002年にそれぞれ改正版が出されました。現在は、2007年第五版が改正中で、2007年1月1日より実施される予定です。

 

●商品分類の重要性

 

   商品分類は会社がコストの計算をする際にとても重要な役割を果たしますし、また『HSコード』の分類体系を理解することは正確に商品分類を行ううえで大変重要です。例えば、2001年に人工芝を輸入したケースですが、これをロール状のプラスチック舗装製品(番号3918.9090)に分類した場合はそれに対応する最恵国税率は15%となり、もしもその他の化学繊維の舗装製品(番号5703.3000)に分類した場合は、21%となりました。

 

●商品分類の新動向

 

   長きに渡る模索の末、中国の商品分類も日増しに成熟してきており、管理モデルも絶えず改善されていますが、商品分類に関する法律はこれまでずっと体系化されておらず輸出入の際に企業と税関が理解の食い違いからもめる事が多々ありました。こういった状況を改善するために、税関総署の関税徴管司(関税の徴収管理を担当する部門)から『中華人民共和国税関輸出入貨物商品分類方法』(以下『分類方法』といいます)が出されました。

   2006年の上半期、当所は法律事務所としては唯一、上海税関主催の『分類方法』に関する意見交換会に招待されました。この意見交換会では『分類方法』の分類の申告、審査や分類確定の際の公布や法的効力についての規定を確認した。この規定によって現在の分類体系がより明瞭になり改善されると思われます。もしも『分類方法』が順調に登場となると、分類体系がよりはっきりとして効果が上がり、貿易に従事する企業にとっては、貿易のプロセスの中で遵守すべき規則を正確に把握し、効率を上げることができます。

 

●『HSコード』及び『輸出入税則』の改正

 

   このほか、上で述べました2007年の第五版『HSコード』に関して、中国税関総署は現在下2桁の国内番号(前の6桁は国際的に統一されており、後ろ2桁は中国国内の番号)の制定中であり、『中華人民共和国輸出入税則』(以下『輸出入税則』といいます)にもそれにあわせて改正が加えられる予定です。

   中国がWTOに加盟した際の約束では、輸出入税率の引き下げは避けて通れない道ではありますが、中国の関税収入には大きな影響を及ぼすことになってしまいます。一方、中国税関は2007年の『輸出入税則』を調整する際もその点を考慮していますし、安定した関税収入の確保という目的から、『輸出入税則』を調整する際に元々の関税徴収を維持したい類別を、別途明記するかまたはその他同税率の商品の中に分類することになります。

   電気製品を担当する上海税関の分類センターの官員は、2006年の年中に「印刷、プリント設備の分類技術指標シンポジウム」が開催されました。シンポジウムでは、2007年版の『HSコード』の中の印刷やプリント設備部分の調整について紹介がおこなわれました。主な内容は以下のとおりです。

1.      税番号の変更:84.71中のプリンター、85.17中のファックス、90.09のコピー設備が纏めて84.43に分類され、従来の90.09は削除されました。

2.      商品の関係変更:従来はマルチ機器を90.09のコピー設備に分類していましたが、2007年版の『HSコード』では、マルチ機器はコピー設備から外れました。

 

●商品分類における注意点

 

科学技術の発展につれて、会社の製品もどんどん新しいものが開発されてきているわけですが、税関の分類作業は遅れていて、商品の性質、用途、性能を検討してから分類が決められることになりますので、企業としては商品の説明書を作成される際に、どのように商品について描写するかだけでなく、さらに例えば説明書の中に記されている付属機能や特徴が高税率の類別に分類できると税関に判断され、高税率を課せられる等のリスクにも注意を払う必要があります。

このほか、税関は監督管理の際に、納税義務者に対し納税不足分や納税漏れについて追徴することができるため、企業としては、例えば外国で発行された通関票等、同商品が外国ではより低い税率に分類されていると証明できるような証拠を随時準備しておかなければなりません。

 

2007年版の『HSコード』および『輸出入税則』は、2006年末に制定される予定です。上記の内容が皆様のお役に立てれば幸いです。今後も税関関連のその他業務について紹介していきたいと思います。

 

(2006年11月掲載・2,291字)

                           

上海里格法律事務所 所長

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