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外国人の在留資格ミニ知識1

国際ビジネスレポート
丹羽弘之

丹羽弘之

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2019年10月22日

1.在留資格に係るミニ知識~海外子会社の現地社員を親会社で勤務させるには?

中国をはじめ外国にある子会社等の現地法人の社員を親会社に転勤させる場合や将来、現地法人の幹部社員として登用する準備として数年間親会社でOJTさせる場合等にはどのような在留資格を申請すればよいでしょうか?

まず、親会社での担当業務により、取るべき在留資格が異なります。

生産工程等の現場の労働力として活用する場合には、「技能実習」或いは本年4月から始まった「特定技能」等の在留資格の取得が必要となります。

それぞれ対象職種が定まっていますので、担当業務がそれぞれの対象職種に該当する場合には、何れかの在留資格で申請することができます。

<受け入れ可能業種>

技能実習 88業種

(2号移行対象業種 詳細は厚労省資料 https://www.otit.go.jp/files/user/190610-29.pdf 参照)

特定技能 14業種

(詳細は法務省資料 https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190809002/20190809002-1.pdf P12~P14参照)

次に設計・SE等の技術職、貿易、営業、社内管理等の事務職、設計・通訳・翻訳等のホワイトカラー的職種の場合には、「技術・人文知識・国際業務」または「企業内転勤」の在留資格を申請します。

各々の要件は以下のとおりです。

(1)技術・人文知識・国際業務

①職務内容と大学や日本の専門学校の専攻との関連性

職務内容が卒業した学校(大学、専門学校)で勉強した専攻の内容と関連性のある職種であることが必要です。学歴と職務内容が一致しないと不許可となります。従って、申請にあたっては、職務内容と専攻内容が一致しているかを文書で説明できるかが重要です。

②本人の経歴

まず本人の学歴が重要です。日本または海外の大学の学士または日本の専門学校での専門士の学位の取得が必要です。卒業証明書や成績証明書でどんな内容を専攻したのかを確認し、職務内容との関連性が審査されます。

上記の学歴がない人材の場合は、「3年以上または10年以上の実務経験」があることが条件になります。3年の実務経験でOKの職務内容(通訳・翻訳、語学教師)と、10年の実務経験が必要な職務内容(上記以外)があります。

(2)企業内転勤

・1年以上の子会社等での勤務実績

申請に係る転勤の直前に子会社において、1年以上継続してホワイトカラー的業務に従事している必要があります。したがって、勤務実績と現地法人への出資比率等を証明する資料の提出が必要です。本人の学歴は問われません。

(3)上記2つの在留資格に共通の要件

①会社の経営状態が安定していること

説明のため通常は決算書類を提出します。ただ単に赤字だから在留資格が絶対取れないとは言えません。現状赤字でも、将来の黒字化見込みについて事業計画書等で説明できれば大丈夫です。

②日本人社員と同等の給与水準であること

これは外国人に対する不当な差別禁止する趣旨です。同等の職位の日本人社員と同じくらいの給料をあげてくださいということです。

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