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タイの休眠会社と撤退リスクについて

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2014年11月11日

記事概要

今回はタイの休眠会社と撤退リスクについてQ&A形式でお話します。

皆さん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、タイオフィスの長澤です。今回はタイの休眠会社と撤退リスクについてQ&A形式でお話します。

Q.
 
タイへの進出を検討していますが、事前に休眠会社制度や撤退のリスクについても把握しておきたいと考えています。タイには休眠会社制度はありますか。また、撤退の際の手順やリスクはどのようになりますか。
 
A.
まず、タイには休眠会社制度はありません。休眠会社制度がある国では、休眠会社としての申請を行うことで、休眠会社中は税務申告など法務、税務上の届出が費用となります。しかし、タイにはそのような制度ありませんので、実態として事業を行わない期間においても、月次、年次での法務、税務上の届出が必要となります。
 
また、撤退についての概要は、法務問題と税務問題、労務問題に分けられます。

法務については、事業運営にかかる取り消し(BOI,DBDなどへの届出)が必要となります。DBDへの届出では、清算人の選定、残余債権債務の処理、清算申請が必要なります。
法務上は清算人の選定後に残余債権債務の処理をしますが、実務上は主な債権債務は先に処理をするのが一般的です。また、固定資産の売却、VAT還付などの手続きも同タイミングで行われます。

また、解散の決定の後に、税務調査を行い、税務調査がクリアになったのちに清算申請が可能となります。タイの税務調査は時効が7年間となっていますので、最長で7年分の税務調査を受ける可能性があります。特に過去に税務調査が入っていない場合には、当該期間にかかる税務調査が行われますので時間を要します。
 
労務の問題は通常債権債務と併せて、解散の決定後に行うのが一般的です。社員の雇用の確保、ないしは解雇の場合の退職金、保証金の支払い等となります。
 
全プロセスを通じて1年間程度が標準的な期間となり、特に税務調査の状況によって期間は長くなります。
 
タイは駐在員事務所よりも現地法人のほうが設立手続きそのものは容易となりますが、事前にある程度休眠、撤退にかかるリスクも把握したうえで投資決定していただくのがよいかと思います。

以上

PT. Tokyo Consulting
長澤 直毅

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにPT. Tokyo Consultingは、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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