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ベトナム鉄鋼業界の今後

アジアビジネスレポート ベトナム
森辺 一樹

森辺 一樹

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2014年6月19日

ベトナムの鉄鋼生産能力はここ数年急成長を遂げ、2005年約300万トンから2008年には800万トンを超えた。これまでは国営企業が市場を支配してきたが、ここ数年新たな非公開企業や外資系企業が参入してきている。政府は2007年から2025年の鉄鋼産業発展計画で、2025年までに100億~120億米ドルの投資を行い、国内需要だけでなく余剰生産分を輸出へ回す予定である。

ベトナム鉄鋼業界は、これまで最大手ベトナム国営企業のひとつであるベトナム・スティール・コーポレーションによって支配されてきた。ここ数年新たな非公開企業や外資系企業が、この魅力ある市場に参入してきているが、依然ベトナム・スティール・コーポレーションがリーダー的役割を果たしている。その他主な企業としては、ポミナ・スティール(Pomina Steel)、タイグエン・アイアン・アンド・スティール(Thai Nguyen Iron and Steel)、ヴィナ・キョーエイ・スティール(Vina Kyoei Steel)、ホア・ファット・グループ(Hoa Phat Group)などがある。
ベトナム・スティール・コーポレーションは、ベトナム最大手の鉄鋼製造業者であり、鉄鋼の年間生産能力は250万トン程度ある。次に、ポミナ・スティール(Pomina Steel)は1999年創立の有望なベトナム鉄鋼製造業者である。国内でも数少ない近代的鉄鋼製造業者のひとつで、現在の生産能力は年間70万トン程度である。バリア地域に新しいプラントを造る計画があり、それが完成すると生産能力は年間ほぼ100万トンになると予想されている。タイグエン・アイアン・アンド・スティールはベトナムの総合鉄鋼製造業者であり、その生産ラインは鉄鉱石の採掘から鋳鉄や鉄鋼インゴットの製造、さらに圧延までを行う。現在の鉄鋼圧延能力は、年間55万トン程度である。ハノイ、クアンニン、タアンホア、ンゲアン、ダナンの5つの支店と、ホーチミン市に販売事務所を構え、国内に広く流通網を有する。

ベトナムの鉄鋼業界の今後の見込みとしては、政府は2007年から2025年にかけてのベトナム鉄鋼産業発展計画を既に承認しており、この計画によると、2025年までにおよそ100億~120億米ドルの投資を行い、鉄鋼インゴット1,200万~1,500万トン及び、鉄鋼製品1,900万~2,200万トンの生産を目指している。国内業者には鉄鋼製品約50~70万トンの輸出が期待されている。またこの発展計画全体の中で特に重要となるいくつかの個別の計画への投資にも重点がおかれている。ハ・ティン製鉄所、ドゥン・クワット製鉄所、ラオ・カイ製鉄所とタイグエン鉄鋼会社の拡張計画などがそれにあたる。

昨今、高い経済成長を見せ、消費の拡大が著しいベトナムだけに、日本企業にとっても、今後の鉄鋼業界の更なる成長から目が離せない。

(2012年2月原稿)

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