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近年、7%弱の高い経済成長を見せるフィリピン。英金融大手HSBCの予測によると、フィリピンのGDPは、2050年に1.7兆US㌦に達し、インドネシアの1.5兆US㌦やマレーシアの1.2兆US㌦を超えるとされている。
フィリピン経済を語る上で無視できないのが財閥の存在だ。確かな統計数字は存在しないが、フィリピン経済の8割程は財閥が占めていると言っても過言ではないだろう。フィリピンの財閥は大きく中華系とスペイン系に分けられる。多くの中華系財閥がある中、スペイン系財閥は多くがその勢力を失い、今ではアヤラ財閥だけが目立つ存在になっている。
アヤラ財閥は、不動産、銀行、通信、保険、食品事業などを行う財閥で、メトロマニラ経済圏 -マカティ地区の開発や多くの高級ブランド店が立ち並ぶ超大型複合施設『Greenbelt』の開発で有名だ。現在もマカティ地区に富裕層向けの高級マンションの建設が後を絶たない。
中華系財閥の中心はやはりなんといってもヘンリー・シー(Henry SY)率いるシー財閥だ。フィリピン最大の商業銀行であるBanco de Oro(BDO)やフィリピン最大の小売SMグループを持つ。ファーストリテイリングが合弁でユニクロを展開している相手もこのSMだ。
現在、ヘンリー・シーはフィリピン一の大富豪であり、2013年、その資産は、130億㌦、日本円にして約1.3兆円だ。因に、日本一の大富豪も総資産178億㌦でファーストリテイリングの柳井氏だ。
次に注目すべきは、ルシオ・タン(Lucio TAN)率いる、ルシオ・タン財閥だ。銀行や航空、タバコ、農園、ビールなどを傘下に収めている。フィリピン航空を保有しているのもこのルシオ・タン財閥だ。また、タバコの分野ではフィリピン市場の約80%を牛耳る存在だ。ルシオ・タンはフィリピンで2番目の資産家で、その資産は70億㌦、日本円にして約7,000億円。
小売、食品、航空、不動産、石油、繊維、通信を手がけるゴコンウェイ財閥の存在も大きい。大手小売ロビンソンズ(Robinsons)を運営するのもこの財閥で、日本側との合弁で、フィリピンでミニストップを展開している。セブ・パシフィック航空も持つのもここだ。
次は、フィリピンNo.1ビール、サン・ミゲル(San Miguel)を保有するコファンコ財閥だ。サン・ミゲルと言えば、キリンが48%の株式を保有していることで有名だ。この財閥は、食品や養鶏、飼料事業などが中心の財閥となる。
ロペス財閥は、通信、電力、水道、高速道路などのインフラを手がける財閥で、フィリピン最大の放送局ABS-CBNや電力会社のメラルコ(Meralco)を保有する。
そして、最後が銀行、建設、自動車、保険などの事業を手がけるユーチェンコ財閥だ。
このようにフィリピンでは、主要な産業は全て財閥が牛耳っており、今後もこの形は長く変わらないだろう。
(執筆日:2014年5月13日)
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