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ログイン2013年9月4日
職業柄、日系企業の経営者の方々から「中国人にウチの商品をもっと買ってもらうためにはどうしたらいいでしょうか?」とか「どうやったら中国で売上シェアを伸ばせますか」という質問をよく受けます。そういう時私は、「ゴルフとKTVに行くのを辞めれば売上は上がりますよ」と答えるようにしています。
(こんなことを書くと「お前が言うな」という声が知人から聞こえてきそうですが)この言葉以上に、日系企業が中国で成功する真実を表している言葉はないと思うのです。
どんな業種にしろ、我々日本人にとってアウェイである中国市場で商品・サービスを売りたいのであれば、中国人の考え方や習慣を理解する必要があります。ただでさえ言葉や文化の違いというハンデがある我々日本人は、ライバルである中国ローカル企業の経営者以上に中国人消費者や中国企業のことを知るために時間を使う必要があるのは自明の理です。
それにも関わらず中国の日系企業経営者の多くは、日本人社会にどっぷりつかり過ぎているのではないでしょうか?
確かに日本人ビジネスマンが数万人規模でいる上海等の大都市で働く場合、日本にいるのと同様の生活ができますし、そうした方が楽でいいでしょう。平日の夜は日本人同士で日本料理を食べ、2次会で日系KTVに行き、土日は日本人同士でゴルフをする。これが日本人駐在員の方のお決まりのコースだと思います。でも本気で中国事業を成功させようと思ったら、その半分の時間だけでも、中国人をもっとよく知るために、自ら積極的に行動するべきなのです。ビジネス上の課題を頭で考えながら、地下鉄やバスに乗り、街に出て、中国人消費者と同じものを見るだけでもヒントがたくさん見つかるはずです。今中国では何が流行っているのか、中国人消費者が何にお金を使っているのか、どんな企業がどんなところに広告を投入しているのか。本気で中国ビジネスに取り組んでいれば、知りたいこと、分からないことが際限なく頭に浮かんでくるはずです。そしてその知りたいこと1つ1つ腹に落ちるまで確かめていこうとすれば、ゴルフやKTVにうつつを抜かしたり、日本人同士でヌルい中国生活を過ごす余裕はないはずです。
「オレは、会社で中国人従業員とコミュニケーションを取り、そこから十分インプットを得ているから大丈夫」という方もいるでしょう。本気でそんなことを思っているのであれば、すぐに日本に帰った方がいいでしょう。確かに、何もしないよりはましだと思いますが、従業員に対して上司の立場で軽く聞いたところで、当たり障りのないことが返ってくるだけです。また本当にビジネスに役に立つ核心的な事柄については、中国人自身も考えたことがない場合が多いので質問をすればすぐに回答が得られるという代物ではないのです。中国人にウザイと思われるくらい、手を変え品を変え、何度もしつこく質問をしないと、本当に商売に役立つヒントは出てきません。また中国でB2Cビジネスを行っている経営者で、「微博を見たこともやったことがない」という人も少なくないと思いますが、そういう新しいトレンドに無関心な人もアウトだと思います。
とはいえ、従業員と距離を縮めるというのは中国でリーダーシップを発揮する上でとても重要です。当たり前ですが、中国人従業員にとって身内ではない日本人は、自ら中国人従業員のゾーンに入って行かない限り距離を縮めることはできません。会社にとって重要な従業員に対しては、普段会社で仕事上の付き合いを超えて、(戦略的に)従業員の配偶者や家族とも食事をする仲にまで持ち込まない限り、安定した経営ができないのが中国だと思います。本気でそこまで入り込もうと思ったら、中国駐在の日本人ビジネスマン(特に経営者)は、日本にいる以上に忙しく働く必要があるのが当たり前なのです。
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