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ASEAN6を狙え

中国ビジネスレポート 投資環境
森辺 一樹

森辺 一樹

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2012年4月17日

 東南アジアを市場と捉えた際、どの国を重要視すれば良いのかと頭を悩ます企業は少なくない。東南アジアには、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、東ティモール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの11の国が存在する。しかし、市場として捉えた場合、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアのASEAN6だけを見れば良い。いずれも6%以上の経済成長を誇る国々である。シンガポールのGDP14.7%を筆頭に、タイが7.6%、フィリピンが7.3%、マレーシアが7.2%、ベトナムが6.8%、インドネシアが6%だ。
 一人当たりGDPに関しても、シンガポールは4万3,000ドルを超え、数年前に日本を抜いている。人口が2億4,500万人を超えるインドネシアでも3,000ドルを超え、タイで5,000ドル弱、マレーシアは8,500ドル弱にも成長している。

 残る5ヶ国は市場としては余りにも小さ過ぎる上に、カントリーリスクを考えると日本企業にとってはマーケットとならない。まだまだODA(政府開発援助)の市場だ。確かに、BOP(Base of the Pyramid:世界の所得別人口構成の中で、最も収入の低い所得層)ビジネスの市場との見方もあるが、人口が余りにも少な過ぎる。また、そもそも中間層ビジネス以上の長期的な投資が必要となるBOPビジネスは日本企業向きではない。

 では、ASEAN6をさらに注意深く見て行くと、まずはその人口が目に留まる。2011年現在、インドネシアの人口は2億4,500万人を超えている。フィリピンも1億人を超えている。ベトナムも9,000万人を超えた。インドネシアは実は世界第4位の人口を誇る国なのだ。マレーシアとタイに関しても、それぞれ4,292万人、6,961万人と韓国と然程変わらないかそれ以上だ。
 更に魅力的なのは、ASEAN6の内、シンガポール以外の国は平均年齢が35歳以下だということだ。インドネシアで28.2歳、フィリピンが22.9歳、ベトナムは27.8歳、マレーシアが26.8歳、そしてタイが34.2歳だ。日本の44.8歳と比較するとその若さが分かる。  
 そして、日本のような少子高齢化とは縁遠い国々で、出生率、それに伴い人口増加率も高い。人口増加率は、日本の-0.278%に対して、インドネシアが1.069%、フィリピンが1.903%、ベトナムが1.077%、マレーシアが1.576%と増加傾向だ。2050年には、日本が人口1億人を下回るのに対して、インドネシアは3億1,300万人。フィリピンは1億4,800万人、ベトナムも1億800万人の人口を持つ国となると予測されている。

 2050年のGDP予測では、日本が約6兆6,000億ドルであるのに対し、インドネシアは7兆100億ドルを超え、フィリピンが3兆100億ドル、ベトナムも3兆6,000億ドルを超える。一人当たりGDPも同様に2万から3万ドルの水準まで達すると予測されている。東南アジアから日本を超える国が出るのだ。欧米日による経済支配が終わりを遂げようとしている時代に、東南アジアとどう向き合うか、そろそろ真剣に考える時がきている。

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