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人気アニメランキングから見る中国市場

中国ビジネスレポート 投資環境
森辺 一樹

森辺 一樹

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2012年6月19日

 日本のアニメは中国で絶大な人気を誇っている。弊社が北京、上海、広州で約1万人を対象にした調査では、次のような結果となった。

[中国 人気アニメ・漫画ランキング]
1位 喜羊羊与灰太狼(中国)9.22%
2位 名探偵コナン(日本)8.50%
3位 ナルト(日本)8.04%
4位 ドラえもん(日本)7.33%
5位 ワンピース(日本)6.48%
6位 クレヨンしんちゃん(日本)5.48%
7位 スラムダンク(日本)5.35%
8位 聖闘士星矢(日本)4.68%
9位 ドラゴンボール(日本)4.66%
10位 トムとジェリー(米国)4.51%

 全体の約9%を占める「喜羊羊与灰太狼」は、中国人であれば誰でも知っている羊のキャラクターが主人公のアニメだ。2005年に登場した当時は殆ど人気が無く、08年?09年に一気に人気が沸騰した。低年齢向けのアニメではあるが、20代、30代の中国人女性の持ち物調査をすると、多くが携帯や手帳にこのキャラクターのシールを張っていたりする。
 
「喜羊羊与灰太狼」は別格として、2位?9位が全て日本のアニメで占められていることには驚きを隠せない。その数、実に全体の約51%である。更に、10位以下のランキングに関しても、大半が日本のアニメであり全体の80%を超える。中国のB2Cの世界で日本産がこれだけ独占的な市場を築けているケースが他にあるだろうか。自動車や電気製品でもここまでのランキングにはならない。
 
 更に面白いのは、日本のアニメはストーリー性やアニメーション技術等、あらゆる面で大人でも楽しめるという高いレベルにある為、中国産や米国産アニメに比べ好きだと答えた人の年齢幅が子供から大人迄と非常に幅が広いのだ。
 また、「ナルト」や「ワンピース」等、比較的最近のアニメを好きだと答えた人の年齢は低く、逆に「聖闘士星矢」や「Dr.スランプアラレちゃん」、「らんま1/2」など昔のアニメは年齢が高い。「らんま1/2」に関しては、25歳~35歳で72%を占める。勿論、アニメの新旧に関わらず、中国で放映された時期によって人気のある年齢層が異なる為、全てがこの法則には当てはまらないが、一つの傾向として捉えることは可能だ。

 中国では2006年頃から、国産アニメ産業を保護する目的から、外国産アニメに対しての放送規制が存在する。折角人気のある日本のアニメもビジネスとしては大きな壁が存在するのだ。そしてまた日本の消費材メーカーに関しても市場獲得に課題を抱えている企業は少なくない。であれば、日本の消費材メーカーがこの日本のアニメ人気を製品販売に活かした販売戦略をもっと積極的に行うべきではないだろうか。
 
 映画やドラマといったコンテンツ輸出に確りと製品販売を結びつけている韓国大手企業のように、日本もアニメやサブカルチャーコンテンツと企業の製品販売がより連携して海外マーケットを攻める必要があると強く感じる。
 
(2011年2月執筆)

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