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重要なのはマーケティグ4P戦略

中国ビジネスレポート 投資環境
森辺 一樹

森辺 一樹

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2012年2月24日

 上場企業はこの10年で主戦場を完全に海外へとシフトした。今後もこの動きは益々拡大するだろう。大げさのことを言うつもりは無いが、次の数十年、新興国市場の取り組み無くして日本企業の成長は愚か、現状維持も難しいだろう。

 しかし、多くの企業はひたすら日本で行なってきた従来の事業とその成功体験だけを頼りに進出し、「中国市場は難しい。アジア市場は厄介だ。」と頭を抱える。なぜ日本企業は新興国市場で苦戦しているのか?答えは簡単である。各社とも日本市場では当たり前に出来ている4P戦略無きまま進出をしているからだ。

 4P戦略とは、Product(商品)、Price(価格)、Place(商流)、Promotion(プロモーション)の総称で、これは市場が海外だろうが無かろうが商売をする上では必須となる基本的な概念だ。企業はどの国においてもこの4つの戦略を組み合わせ、最善の戦略を持たなければならない。

 Product(商品)戦略では、自社が売りたい製品ではなく、現地の消費者が何を求めているのかが重要だ。しかし、多くの企業は新興国を40年前の日本と甘く見て、Product戦略に失敗する。現地の消費者ニーズを上手く汲み取った戦略を持った企業など数える程しかない。
 Price(価格)戦略では、「Made in Japan」なのだから、日本企業の製品なのだから、高くて当たり前との奢りから現地の実態と余りにもかけ離れた価格設定で失敗をするケースが多い。日本企業の製品は、良いのは分かっているが、そこまで高いとさすがに買えないというケースは少なくない。折角のジャパン・ブランドもこれでは効果がまったく発揮されない。また、新興国では、台湾や韓国ブランドと日本ブランドにそう大きな差が無いことも理解しなくてはならない。
 Place(商流)戦略に関しては、販売パートナーを安易に決めてしまうケースが少なくない。メーカーから小売りまでの商流が確りと確立されていないので、商流を理解した上でパートナーを決めることが重要だ。また、商流間のマージン構造の理解も忘れてはならない。
 そして最後のPromotion(プロモーション)戦略に関しては、新興国では日本企業も日本製品も日本程の知名度はまだ無く、また日本以上にポテンシャルの高い新興国であるにも関わらず余りにもプロモーション費用をかけずに売ろうとしている企業が目立つ。正しくは、どのプロモーション手段が最も費用対効果が高いのかを理解しておらず、プロモーションに手が出ないのだ。中国やインドなど広い国土に巨大な人口を持つ国ではひたすらマスにプロモーションを打っても効果など無い。貧富の差が激しく、層によってメディア接触パターンが大きく異なるのが新興国である。

 新興国市場に難しさを感じている企業は、今一度、4P戦略見直すことが重要だと強く感じる。

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