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製品品質とPL責任に関する法規制

中国ビジネスレポート 法務
王 倩

王 倩

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2012年6月5日

Q:当社は現在、日本の製造業者の家庭用電気製品を中国に輸入することを検討しています。製品品質とPL責任に関する法規制と留意点を教えてください。

A:これには製品品質担保責任と製造物責任の二つの問題が係わっていると思われます。これらの問題に関する法律といえば、通常二つの法律が挙げられます。一つは1993年に施行され、2000年に改正された「中華人民共和国産品質量法」(以下「製品品質法」という)で、もう一つは同じく1993年に制定された「消費者権益保護法」(以下「消費者保護法」という)です。製造物品質担保責任と製造物責任に関する基本的な規定は、この二つの法律に盛込まれています。

「製品品質法」の立法背景として、当時、中国では製品品質が低いことにより消費者の利益が度々侵害を受けていたため、製品品質に対する国の監督管理を強化し、経営者の製品品質責任を明確にすることにより、使用者・消費者の合法的な権益の保護を図ろうとしたことがあげられます。

一方、「消費者保護法」は、消費者権益を保護するという立場から、「製品品質法」に定められた生産者・販売者の製品品質責任を一層強化するものとなっています。この二つの法律により、中国の製造物品質担保責任と製造物責任法体制は構成されています。

中国の製造物品質責任法体制の一つの特徴は、消費者権利の保護が強調され、そのための行政機関による製品の監督管理体制や罰則規定が定められていることです。実際に発生した製造品質責任関係紛争案件のほとんどは消費者のクレームがその発端です。

「消費者保護法」は関係行政機関に製品品質に係わる問題への介入権(調査と行政処分を行う権利)を認めていますので、行政介入により問題が解決された消費者クレーム案件は少なくありません。また、「消費者保護法」は消費者権益の保護団体の設立及びその役割について明文規定を設けており、中国各地の工商行政管理局の外郭団体として消費者協会が設立され、消費者の代弁者の立場から製品経営者の製造物責任を監督し、また製品品質クレーム案件について消費者の立場から調整役を果しています。したがって、製品品質クレーム案件に消費者協会が介入して解決するようなケースが多々あります。

もう一つ留意すべきことは、中国では、製品品質クレーム問題は、必ずしも欠陥品のことだけをいうのではなく、例えば、製品機能とカタログ・取扱説明書との違いや期待はずれによる不満等も含まれるということです。実際、製品の不具合に対し、消費者がクレームをするケースが大部分です。この点は中国の製品品質クレーム問題を理解するうえで重要な意味があると思われます。したがって、新製品を紹介する際、メリットのみを紹介するのではなく、「製品品質法」、「製品表示記載規定」に定められた表示義務を果たしたか、危険の表示等は中国語簡体字によるか、中国での使用環境の違いがないか確認する必要があります。

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