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注文情報は営業秘密にあたるでしょうか。

中国ビジネスレポート 法務
王 倩

王 倩

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2014年11月26日

記事概要

中国での営業秘密に係る事例を紹介するものとする。

事例紹介:
2007年、厦門の商社Aは得意先Bと売買契約を結び、エンジン40台の注文を得ました。その後、商社Aは上海にある外資工場Cに上記エンジンの注文リストを送りました。数日後、得意先Bから商社Aにファックスが届き、他の会社から同じ数量、同じサイズのエンジンが得意先Bに既に届き、しかも同じ外資工場の製品であることがわかりました。この得意先Bと商社Aとは長期での取引関係を維持しており、その注文は営業秘密であり、外資工場はそれを他の会社に開示すべきではないと主張して、商社は裁判所に訴訟を提起し、外資工場に対し損害賠償、及び新聞紙での謝罪を求めました。裁判所は審理を経て、かかる注文は『不正競争法』に定める営業秘密にあたると認めました。

コメント:
ここでいう営業秘密と認定されるためには,以下の要件が必要となります。
(1) 秘密事項として管理されていること(秘密管理性)
(2) 事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること(有用性)
(3) 公然に知られていないこと(非公知性)

商社Aと得意先Bとの売買契約で取り決められた取引情報は、特定製品に対する納期、数量、取引慣習などが含まれており、かなり具体的で、公然に知られていない情報となります。「工場から仕入-得意先に転売」の形で差額を利益にする、有用性を有しています。また、商社が工場と交わした基本契約においても双方の守秘義務について取り決めをしているので、秘密として管理されていることが明らかです。上記の分析より、当該契約に定められている注文情報は、営業秘密にあたることがわかります。

以上

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