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雇用管理適法審査の第一歩―見逃してはならない五つの社内規則チェックポイント―

中国ビジネスレポート 法務
王 倩

王 倩

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2014年11月17日

会社にとって、社内規則は会社内部手続の依拠となり、また労使紛争になったときの、会社のよりどころでもあります。しかし、社内規程に著しく違反したことを理由に、社員を解雇したけれど、解雇社員に労働仲裁を提起され、さらに社員側の仲裁請求が認められた、或いは社員が自ら会社を辞めたが、社内規則が違法だとして、会社に経済補償金を求めてくる等のケースは、意外に多いものです。
雇用管理適法審査の第一歩は、社内規則の見直しからはじめます。それでは、社内規則をどのようにチェックすればいいか、次の五つのポイントに纏めてみました。

□作成の手順は合法ですか?
下記手続を確実に踏んでおくこと:
全社員または社員代表大会の団体協議→組合または社員代表と協議して決定→公示または通知。

上記の流れは法定手続となり、会社が履行しない場合、社内規則が無効となります。以前、会社が社員を解雇して、社員に労働仲裁を提起されました。会社がその解雇の正当性を証明するため、社内規則の文面を提出して、社員が規則に著しく違反したことを主張しようとしましたが、社内規則には会社の株主しか署名していない、明らかに法定の規則作成手順が履行されなかったことが判明され、結局、会社による違法解雇と認定されたケースがありました。
また、上記の法定手続を行うにあたり、必ず履行済みの証拠を残しておいでください。


□社員の利益を違法に侵害したような規定はありませんか?
例えば、一部の会社は社内規則において、事前許可を得ずに勝手に辞職した場合、給料から一定の金額を引き落とす、契約期間内結婚してはならない等の定めを設けています。これは社員の正当利益を違法に侵害した規定になります。社員がこのような規定の存在を理由に、会社と労働契約を解除して経済補償金を要求してくる、というリスクの可能性があります。


□「厳重」「重大」「不適任」などの用語は具体化されていますか。
労働契約法の定めるところによれば、社員に下記いずれかの状況がある場合、会社は労働契約を解除することができます。a)社内規則制度に甚だしく違反した場合 b)著しい職務怠慢により使用者に重大な損害を与えた場合c)労働者が業務を全うできないことが証明され、職業訓練又は職場調整を経てもなお業務を全うできない場合、等です。しかし、この規定をそのまま社内規則に盛り込んだだけでは、たとえ社内規則をきちんと踏まえた上で解雇の手続を行ったとしても、やはり労働紛争になりかねません。 自社の実状に基づいて、これらの用語を具体化する必要があります。
例えば、①どのような場合、厳重違反に該当する、②どのぐらいの金額で重大損害に該当する、③不適任の評価システムなど。このように、細かく解釈することで、解雇の正当性が認められやすくなります。
ただし、社内規則に関係の状況を定めたところで、社会通念からこの規定自身が不合理だとされた場合、違法解雇と認定される可能性があります。例えば、無断欠勤一日は社内規則の厳重違反にあたり、解雇懲戒と定める社内規則も見られますが、これは不合理であるため、この規定に基づく解雇は違法解雇になりかねません。


□集団契約、労働契約と齟齬する内容はありますか?
最高裁の司法解釈によれば、同一事項について、三者間に内容の不一致がある場合、社員に適用の選択権利があります。これを受けて、会社が関係書面を作成するにあたり、社内規則が無効にならないように、必ずその統合性に注意しなければなりません。


□「罰金」は避けてください。
罰金は一種の行政権利であり、会社は民事主体として「罰金」権を行使してはならないのが現在の通説です。ただし、遅刻、無断欠勤などの行為を懲戒処分するために、「遅刻は20元の罰金」「勤務中私用携帯を使ったら20元の罰金」などの規定を設けている会社もよく見られますが、「罰金」はできるだけ避けて、その代わり、遅刻や無駄欠勤などの行為を業績評価、出勤手当と結びつけることをお勧めします。

以上

王倩弁護士チーム

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