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商業賄賂についてQ&Aその1

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2015年1月23日

みなさん、こんにちは。東京コンサルティングファーム、中国弁護士の呼和塔拉です。
今回と次回の2回に分けて中国の商業賄賂について、Q&A形式でお話し致します。

Q1.中国では商業賄賂に対してどのような規制がありますか?
 
A1.
2013 年7 月に発生したイギリス大手製薬会社商業賄賂スキャンダルの後、商業賄賂という中国特有な概念が広く世間一般に知られるようになりました。
 
中国では、多様な手法による商業賄賂で取引を成立させる「潜規則」(暗黙のルール)が長期にわたって幅広く存在しています。この「潜規則」は中国に進出した日系企業が常に直面する難題でもあります。
 
商業賄賂が市場競争の秩序を損ない、中国政府は早くから絶えなく取締りを強化して来ました。
 
商業賄賂を規制する法律は大きく分けて二つあります。その一つは「不正競争防止法」であり、もう一つは「刑法」であります。しかし、これらの法律においては商業賄賂という用語は使われておらず、不正競争の一形態、また収/贈賄罪追求の対象として定められています。

これらの法律は、原則規定であるため、その補足説明として「商業賄賂行為の禁止に関する暫定規定」と「商業賄賂刑事案件の処理における法律適用の若干問題に関する意見」等があります。
 
なお、商業賄賂のとは、事業者が、商業活動において不正な利益の獲得または提供を目的として、単位(組織)或いは個人に対して、「財物」その他の手段で、贈収賄を行う行為を指します。これは非常に広範な概念であり、国家公務員、国家機関職員、国有企業従業員、民間企業やその従業員も対象となります

Q2.中国における商業賄賂の構成要件は何ですか?
 
A2.
商業賄賂の構成要件は次の通りです。
 
・主体:「単位(機関)」或いは「個人
「個人」としては、国家公務員その他公務に従事している者のほか、会社、企業その他単位(機関)の従業員が含まれます。
「単位(機関)」は、政府機関、国有企業、その他事業機関のほか、一般企業も含まれます。さらに、単位(機関)による贈賄の場合は、単位(機関)のみならず、直接責任者たる個人も責任を追求される可能性があります。
日本と異なり、公務員(準公務員)だけではなく、当事者が一般の民間企業やその役員、従業員のみである場合も商業賄賂処罰の対象となる可能性があることが、中国の特徴と言えます。
 
・主観的要件:不正な利益の獲得・提供が目的である
事業者間(個人或いは単位)、不正な利益を獲得または提供するために、財物(金品)の授受を行った場合、商業賄賂に該当します。

・客観的要件:財物(金品)の授受
ここでいう「財物(金品)の授受」は、現金・物品の直接の受け渡しのほか、研究費、協賛費、販促費、コンサルティング料、手数料等名目で支払われる金銭、その他旅行、海外視察費用の負担、住居の提供、非財産的な利益の供与(子女の不正進学への協力)なども含まれます。
これらの行為は、ごく一部を列挙したに過ぎず、賄賂行為が発覚された後、実質的に判断される事も多く、商業賄賂と正当な商業行為(正当な費用支出等)との線引きが難しいとの指摘もあります。

今回は以上となります。

次回は中国における商業賄賂の法的責任と中国における商業賄賂行為を防止する対応策についてQ&A形式でご紹介いたします。

以上

東京コンサルティングファーム
呼和 塔拉

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承ください。

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