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「処罰が免除される市場における軽微な違法・反則事業行為リスト」について読み解く

中国ビジネスレポート 法務
郭 蔚

郭 蔚

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2019年11月13日

上海市司法局、上海市市場監督管理局及び上海市応急管理局の3部門は、2019年3月13日に「市場軽微な違法・反則事業行為処罰免除対象リスト」(以下「処罰免除対象リスト」という)を共同で発布し、2019年3月15日から施行されている。「処罰免除対象リスト」に定められる内容は、市場主体の日常的な事業活動と緊密に関連しており、ビジネス環境を最適化するための重要な措置であり、法執行部門が法に依拠し、権限を合理的に行使する上での重要な根拠でもある。

 

「処罰免除対象リスト」の規定によると、市場主体に所定の状況を満たす34項目の軽微な違法・反則事業行為が発生した場合、行政処罰は免除される。このうち、上海市市場監督管理局では計28項目が該当し、工商、品質、食品安全などの分野が含まれ、市場応急管理局では計6項目が該当し、主には消防分野に集中している。行政処罰を免ずる根拠から、以下の2つに分類することができる。

  1. 第一類は、「行政処罰法」第二十七条第二項の規定に基づき、行政処罰を科さない事項であり、それは軽微な違法行為に該当し且つ速やかに是正され、結果として危害をもたらさなかったために行政処罰を行わない事項であり、これには計26項目が該当する。例えば、「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、2箇所以下の避難通路、非常口を占用し、塞ぎ、閉鎖していたが、即時に原状回復ができ、尚且つ結果として危害をもたらさなかったという行為などがそれである。
  2. 第二類は、専門分野の法律、法規、規則の関連規定に基づき、行政処罰を免除できる事項であり、これには計8項目が該当する。例えば、「会社登記管理条例」第二十九条に違反し、会社が法に依拠し、住所変更登記の手続きを行っていなかったが、期限付きでの登記を命じられた後、速やかに登記手続きを行った行為などがそれである。

 

「処罰免除対象リスト」における34項目の軽微な違法・反則事業行為を下表にて解説する。

原文

解説

第一類 軽微な違法行為に該当し、速やかに是正され、結果として危害をもたらさなかった場合、行政処罰を行わない

一、広告掲載基準に違反する4つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(一)「医薬品広告審査掲載基準」第七条第一項に違反し、医薬品広告を掲載した際に、医薬品広告承認番号を表示しなかったが、承認番号をすでに取得している場合。

1.       現行の法律規定によると、医薬品広告、医療機器広告、農薬広告、動物用医薬品広告を掲載する場合、広告承認番号を明記しなければならず、広告承認番号を明記しなかった場合、責任のある広告主、広告事業者、広告掲載者は過料に処される。

2.       「処罰免除対象リスト」によると、上述の4通りの広告はすでに広告承認番号を取得しており、広告の掲載時に表示していなかっただけであり、軽微な違法行為に該当する。企業が速やかに是正し、且つ結果的に危害をもたらさなかった場合、市場監督管理部門はこれを処罰しない。

(二)「医療機器広告審査掲載基準」第六条第一項に違反し、医療機器広告を掲載した際に、医療機器広告承認番号を表示しなかったが、承認番号をすでに取得している場合。

(三)「農薬広告審査掲載基準」第十一条に違反し、農薬広告を掲載した際に、広告承認番号を広告内容として広告と同時に掲載しなかったが、承認番号をすでに取得している場合。

(四)「動物用医薬品広告審査掲載基準」第十条に違反し、動物用医薬品広告を掲載した際に、広告承認番号を広告内容として広告と同時に掲載しなかったが、承認番号をすでに取得している場合。

二、「広告法」に定める5つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(五)「中華人民共和国広告法」第九条第(三)号に違反し、広告において「国家レベル」、「最高級」、「最良」といった用語を使用したが、広告は広告主自社の事業場所又はインターネット上のセルフメディアで掲載されたものであり、尚且つ初めて発見された場合。

1.     「広告法」の規定によると、広告では「国家レベル」、「最高級」、「最良」といった用語を使用してはならないとされており、これらの用語を使用した場合、広告主、広告事業者、広告掲載者は、市場監督管理部門から過料、営業許可証の取り上げなどを含む処罰を受けるとされている。

2.     「自社の事業場所」とは、企業自身の営業場所を指す。もしもこのような広告を自社の営業場所以外で配布、配信した場合、処罰の免除範囲には該当しない。

3.     「インターネット上のセルフメディア」とは、一般大衆が自己の見たもの、聞いたものを掲載するためのメディアであり、これにはWeibo、WeChat、Baidu Tieba 等が含まれる。テレビ、新聞、雑誌はこれに該当しない。なお、自社のウェブサイトが当該範囲に該当するかどうかについては論争があるが、市場監督管理部門に問い合わせし確認を行ったところ、自社のウェブサイトについて、工業情報化部の規定に従いウェイブサイト届出手続きを完成させ、ウェイブサイト届出番号に対応する企業、ウェイブサイトの所有者、使用者がいずれも同一企業である場合には、通常、自社のウェブサイトも当該範囲に該当するとのことである。

4.     「初めて発見された」とは、このような広告が法執行部門に発見されたのが初めてであることを指し、もしも速やかに是正せず、再び発見された場合は、処罰は免除されない。

(六)「中華人民共和国広告法」第十一条第二項に違反し、広告で証拠として引用されている内容が適法且つ根拠があるが、広告にその出処が表示されていない場合。

1.     「広告法」の規定によると、この2つの状況に該当する場合、広告主は過料に処される。

2.     「処罰免除対象リスト」によると、広告主が自主的に遅滞なく是正し、且つ結果的として危害をもたらさなかった場合、処罰は免除される。

(七)「中華人民共和国広告法」第十二条に違反し、広告中に特許製品又は特許方法が含まれ、特許番号及び特許の種類を明記していないが、適法且つ有効な特許証明をもっている場合。

(八)「中華人民共和国広告法」第十四条に違反し、マスメディアを通じて掲載した広告に「広告」という文字が表示されていないが、これが広告であると消費者に識別されることができる場合。

1.       「広告法」の規定によると、この場合、広告掲載者に対し過料に処する。

2.       処罰が免除される条件は、当該掲載内容が広告であることを消費者に明確に認識させなければならず、例えば、広告の内容に某製品のブランド名を明らかに含ませるなど、誤解を招くようなものであってはならないとされる。

(九)「中華人民共和国広告法」第四十六条に違反し、医療、医薬品、医療機器、農薬、動物用医薬品、保健食品広告を掲載した際に、広告の審査許可有効期限が過ぎていたが、その超過期間が3か月以下であり、尚且つ初めて発見された場合。

1.       「処罰免除対象リスト」では、広告の審査許可有効期限を過ぎているものに対して、3か月の猶予期間を与えている。

2.       「初めて発見された」とは、市場監督管理部門が広告の審査許可有効期限が過ぎていることを初めて発見したことを指す。なお、当該「処罰免除対象リスト」が実施される前に、広告審査許可有効期限を過ぎていることを同部門に発見されたことがあり、「処罰免除対象リスト」の実施後に、広告審査許可有効期限が過ぎていることを再び発見された場合には、処罰は免除されない。

三、「上海市消費者権益保護条例」規定の3つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(十)「上海市消費者権益保護条例」第二十一条第三項に違反し、サービス標識を設置しておらず、違法行為の継続期間が1か月以下であり、尚且つ初めて発見された場合。

1.       「サービス標識」には、通常、サービスの内容、品質基準及び料金徴収基準等が含まれる。

2.       「上海市消費者権益保護条例」の規定に基づくと、規定通りにサービス標識を設置しなかった場合、事業者は警告、過料、営業停止・業務整理などの処罰に処される。

3.       「処罰免除対象リスト」では、サービス標識を設置しなかったことに対して、1か月の猶予期間を与えている。この1か月は、事業者が事業場所でサービスを提供し始めた初日から起算される。

4.       処罰が免除されるには、もう1つの条件を満たさなければならず、即ち、「サービス標識の未設置」という行為が市場監督管理部門に発見されたのが初めてでなければならず、もしも発見されたのが二回目又はそれ以上である場合、処罰は免除されない。

(十一)「上海市消費者権益保護条例」第二十一条第三項に違反し、設置したサービス標識が十分に目立たない場合。

1.       「上海市消費者権益保護条例」第二十一条第三項では「事業者は事業場所の目立つところにサービス標識を設置しなければならない」と定めている。

2.       何をもって「目立つところ」とするのか明確な基準があるわけではないが、このサービス標識が大衆に周知されるものでありさえすればよい。「処罰免除対象リスト」によると、サービス標識が十分には目立たないが、市場監督管理部門の要求に応じて是正した場合、事業者はこれにより処罰を受けることはない。

(十二)「上海市消費者権益保護条例」第二十五条第一項に違反し、規定通りに購買エビデンス又はサービスエビデンスを発行しておらず、尚且つ、発見されたのが初めてである場合。

1.       「上海市消費者権益保護条例」では、規定に従い購買エビデンス又はサービスエビデンスを発行しなかった場合、事業者は警告、過料、営業停止・業務整理などの処罰を受けるとされている。

2.       「処罰免除対象リスト」によると、当該行為が市場監督管理部門に発見されたのが初めてであり、且つ遅滞なく是正された場合には、処罰は免除される。

四、「上海市商品取引市場管理条例」に定める2つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(十三)「上海市商品取引市場管理条例」第二十八条に違反し、市場内の事業者が人体の健康、生命の安全に関わる商品及び重要な生産資料商品を取り扱う際に、購入・販売台帳を設置しておらず、又はサプライヤーに合格証明書の提出を求めておらず、違法行為の継続期間が1か月以下で、尚且つ商品に品質問題が発生していない場合。

1.       「上海市商品取引市場管理条例」第三十三条によると、人体の健康、生命の安全に関わる商品及び重要な生産資料商品を取り扱う際に、購入・販売台帳を設置しておらず、又はサプライヤーに合格証明書の提出を求めていなかった場合、過料に処するとされている。

2.       「処罰免除対象リスト」では、「購入・販売台帳を設置しておらず、又はサプライヤーに合格証明書の提出を求めていなかった」という行為に対し、1か月の猶予期間を与えており、当該1か月の期限は取引当日から起算される。

3.       処罰が免除されるためにはもう1つの条件を満たさなければならず、即ち、商品に品質問題があってはならない。

(十四)「上海市商品取引市場管理条例」第二十八条に違反し、市場内の事業者が人体の健康、生命の安全に関わる商品及び重要な生産資料商品を取り扱う際に、購入・販売台帳を設置しておらず、又はサプライヤーに合格証明書の提出を求めていなかった場合で、その取り扱っている商品の価値が合計1千元以下であり、且つ商品に品質問題が発生していない場合。

1.       「上海市商品取引市場管理条例」では、貨物の価値を処罰加減の勘案範囲に入れておらず、これは「処罰免除対象リスト」の独自規定である。

2.       「購入・販売台帳を設置しておらず又はサプライヤーに合格証明書の提出を求めていなかった」という行為について、商品価値の大きさも、処罰免除を判断する際に考慮すべき条件の一つとなっている。

3.       第(十三)項と同様に、処罰免除の要件として、当該行為により商品に品質問題が発生していないことも求められる。

五、「無許可・無免許事業調査処分弁法」に定める1つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(十五)「無許可・無免許事業調査処分弁法」第二条に違反し、事業者が法に依拠して営業許可証を取得せずに事業活動に従事したが、立件調査の前に営業許可証の申請資料を提出済みであり、且つ審査を通過した場合。

1.     「無許可・無免許事業調査処分弁法」によると、法に依拠して営業許可証を取得せずに事業活動に従事した場合、違法所得の没収、場所・設備の差し押さえなどの処罰に処される。

2.     実務運用上は、政府手続を完成させるまでに一定の時間を要するが、企業は営業許可証を取得する前に事業行為を始めなくてはならないこともあるため、この期間に生じる不便を解消するため、「処罰免除対象リスト」ではこのような規定を設けている。

六、4つの食品安全行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(十六)「中華人民共和国食品安全法」第四十一条に違反し、生産した食品に関する製品表示に、係る法規及び基準を満たしていることの声明を欠いており、又は声明の内容が完全でない場合。

1.     「中華人民共和国食品法」第四十一条では、生産食品関連製品の生産は、法律、法規及び食品安全国家基準に合致しなければならないと定められているだけであり、関係規定を満たすことの声明の表示が必要であるとは定められていない。

2.     「GB 4806.1-2016 食品安全国家基準 食品接触材料及び製品の一般安全要求」第8条第3項の製品情報に関する規定によると、「表示内容には、製品名、材質、及び係る法規及び基準を満たしていることの声明……を含めなければならない」とされている。

3.     「処罰免除対象リスト」の規定によると、法規及び法律を満たすことの声明を表示しない、又は規定を満たすことの声明において適合する法規及び基準を全て表示していないが、市場監督管理部門の要求に従い、速やかに是正した場合は、処罰が免除される。

(十七)「上海市食品安全条例」第三十一条第一項に違反し、食品生産事業者が規定に従い、本組織の係る従業員に研修を実施しておらず、それを初めて発見され、尚且つ食品安全事故が発生していない場合。

1.     「上海市食品安全条例」の規定によると、食品生産事業者は本組織の係る従業員への研修を行い、研修に関するファイルを設置しなければならず、さもなければ、警告、是正命令、過料、許可証の取り上げなどの処罰を受けるとされている。

2.     係る人員への研修を実施していなかったという行為について、「処罰免除対象リスト」では、処罰が免除される2つの前提条件を定めており、そのうちの一つは、法執行部門に発見されるのが初めてであること、もう一つは、食品安全事故が発生していないことである。このうち、食品安全事故とは、人体の健康に危害を及ぼし又はそのおそれのある事故をいい、例えば、食中毒、食品媒介疾患などである。

(十八)「上海市食品安全条例」第三十二条第二項に違反し、食品生産事業者が規定通りに食品生産事業場所衛生規範制度を実施しておらず、それを初めて発見され、尚且つ食品安全事故が発生していない場合。

1.     「上海市食品安全条例」では、食品生産事業者は、食品生産事業場所衛生規範制度を実施し、従業員は身だしなみを清潔に保たなければならず、例えば、衛生規範制度を構内に掲示し、従業員の着衣は清潔で油汚れなどのシミがないようにしなければならず、さもなければ、警告、是正命令、過料、許可証の取り上げなどの処罰を受けると定められている。

2.     「処罰免除対象リスト」では、処罰が免除される2つの条件を規定しており、そのうちの一つは、法執行部門に発見されるのが初めてであること、もう一つは、食品安全事故が発生していないことである。このうち、食品安全事故とは、食中毒などのように人体の健康に対し危害を及ぼし又はそのおそれのある事故を指す。

(十九)「上海市食品安全条例」第三十二条第二項に違反し、食品生産事業者の従業員の身だしなみが清潔でなく、それを初めて発見され、尚且つ食品安全事故が発生していない場合。

七、「上海市集団給食配送監督管理弁法」に定める1つの行為

(監督管理部門:市場監督管理局)

(二十)「上海市集団給食配送監督管理弁法」第二十一条に違反し、集団給食が必要な組織が有効な飲食サービス許可証、営業許可証を有しない生産事業組織に給食を注文し、それを初めて発見され、尚且つ食品安全事故が発生していない場合。

1.     「上海市集団給食配送監督管理弁法」に基づくと、有効な食品衛生許可証、営業許可証を有しない生産事業組織に給食を注文した集団給食を必要とする組織は、是正命令、過料などの処罰を受ける。

2.     「処罰免除対象リスト」では、処罰が免除される2つの条件を規定しており、そのうちの一つは、法執行部門に発見されるのが初めてであること、もう一つは、食品安全事故が発生していないことである。このうち、食品安全事故とは、人体の健康に対し危害を及ぼし又はそのおそれのある事故をいい、例えば、食中毒、食品媒介疾患などである。

八、「消防法」に定める6つの行為(監督管理部門:市場応急管理局)

(二十一)「中華人民共和国消防法」第十六条第一項第(二)号に違反する以下のケース。

1.     火災自動報知システム感知器の損傷又は故障が各フロアごとに1箇所以下であり、即時に是正することができ、尚且つシステム機能に影響しない場合。

2.     火災自動報知システム感知器に非正常な遮断ポイントが存在し、且つシステム機能に影響しない場合。

3.     スプリンクラーシステムのノズルの損傷が各フロアごとに1箇所以下であり、即時に是正することができ、システム機能に影響しない場合。

4.     防煙・排煙システムの常時閉鎖式防煙・排煙口の故障が1箇所以下である場合。

5.     非常用照明及び誘導標識の故障が2箇所以下であり、尚且つシステム機能に影響しない場合。

6.     常時閉鎖式防火扉が開いた状態であり、又はドアクローザーの損傷が3箇所以下であり、尚且つシステム機能に影響しない場合。

7.     屋内消火栓箱の備品の損傷が1箇所以下あり、即時に是正することができ、且つシステム機能に影響がない場合。

8.     消火器の損傷が各フロアごとに1箇所以下であり、尚且つ即時に是正できるものである場合。

1.     「消防法」の規定によると、企業が第十六条の規定に違反した場合、期限付きでの是正という処罰に処される。期限を過ぎても是正しなかった場合、それに対し直接責任を負う主管者及びその他の直接責任者に対しては、法に依拠して処分し又は警告の処罰に処する。

2.     「処罰免除対象リスト」では、企業が具備しておくべき消防施設、器具を詳しく列挙している。基準に達していなかったが、その場で遅滞なく是正した場合には、処罰しない。

(二十二)「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、避難通路、非常口を占用し、塞ぎ、閉鎖された箇所が2箇所以下であり、尚且つ即時に原状回復することができる場合。

1.     「処罰免除対象リスト」では、企業が具備するべき消防施設環境を詳しく列挙している。基準に達していなかったが、その場で遅滞なく是正した場合には、処罰しない。

 (二十三)「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、消火栓の付近に障害物を置いた箇所が1箇所以下であり、尚且つ即時に原状回復することができる場合。

(二十四)「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、防火間隔を一時的に占用していたが、即時に原状回復することができる場合。

(二十五)「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、消防車用通路を占用し、塞ぎ、閉鎖していたが、即時に原状回復することができ、尚且つ非常事態が生じた際に使用を妨げない場合。

(二十六)「中華人民共和国消防法」第二十八条に違反し、人の密集している場所で、扉、窓に脱出、消火救援を妨げる柵、広告看板を設置していたが、即時に原状回復することができる場合。

  第(二十一)項ないし第(二十五)項に定める行政処罰を行わないケースは、人の密集している場所、及び可燃性・爆発性危険品を生産し、保管し、取り扱う場所には適用しない。

1.     人身の安全を考慮し、人の密集している場所及び可燃性・爆発性危険品を生産し、保管し、取り扱う場所に対し、企業は「処罰免除対象リスト」第(二十一)項ないし第(二十五)項に記載する消防施設、器具、安全環境指標の要求に従わなければならず、さもなければ、処罰を受ける。

2.     「人の密集している場所」とは、人々が集まる場所を指し、つまり、病院の外来棟・入院棟、学校の教学舎・図書館・食堂・寮、老人ホーム、老人福祉施設、保育園、幼稚園、公共図書館の閲覧室、公共展示館、博物館の展示ケース、労動密集型企業の生産加工作業場・社員寮、観光地、宗教活動を行う場所等をいう。

3.     「可燃性・爆発性危険品を生産し、保管し、取り扱う場所」には、通常、ガソリンスタンド、天然ガス、石炭ガス、液化石油ガスの保管場所及び天然ガス圧力調整ターミナル、加圧ターミナルといった場所が含まれる。

第二類 以下の状況に該当する軽微な違法行為に対しては、行政処罰を行わない

九、「上海市契約約款監督条例」に定める2つの行為(監督管理部門:市場監督管理局)

(二十七)「上海市契約約款監督条例」第十一条第一項に違反し、提出元は約款を含む契約書の届出を行っていなかったが、期限付きで是正するよう命じた後、速やかに是正した場合。

1.     「上海市契約約款監督条例」によると、企業に当該2つの行為が認められた場合、期限付きでの是正が命じられ、是正しなかった場合には、過料に処される。

2.     「処罰免除対象リスト」は同じく、企業に一定の猶予期間を与えると定めており、猶予期間内に是正しなければならず、さもなければ、やはり過料に処される。

(二十八)「上海市契約約款監督条例」第十一条第二項に違反し、提出元は約款を含む変更後の契約書の届出を行っていなかったが、期限付きで是正するよう命じた後、速やかに是正した場合。

十、「中華人民共和国会社登記管理条例」に定める2つの行為(監督管理部門:市場監督管理局)

(二十九)「中華人民共和国会社登記管理条例」第二十九条に違反し、会社が法に依拠して住所変更登記手続きを行っていなかったが、期限付きでの登記を命じた後、速やかに登記した場合。

1.     「中華人民共和国会社登記管理条例」の規定によると、会社登記事項に変更が生じた際に、係る変更登記手続きを行っていなかった場合、期限付きでの登記が命じられ、期限を過ぎても登記しなかった場合、過料に処される。

2.     「処罰免除対象リスト」では「住所」及び「経営範囲」の変更登記を個別に列挙している。企業が変更登記期限までに市場監督管理局で速やかに登記を行った場合は処罰しない。但し、例えば、名称、登録資本等その他の変更事項については、処罰が免除される範囲には該当しない。

(三十)「中華人民共和国会社登記管理条例」第三十二条に違反し、会社が法に依拠して経営範囲の変更登記手続きを行っていなかったが、期限付きでの登記を命じた後、速やかに登記した場合。

十一、「認証機構管理弁法」に定める1つの行為(監督管理部門:市場監督管理局)

(三十一)「認証機構管理弁法」第十六条に違反し、認証機構が手順要求を増減し、手順漏れがあったが、情状が軽微で尚且つ認証結果の客観性・真実性、又は認証の有効性には影響を及ぼすことなく、期限付きでの是正を命じた後、速やかに是正した場合。

1.     「中華人民共和国認証認可条例」の規定によると、当該行為は、過料、違法所得の没収(もしある場合)、営業停止・是正命令、ひいては承認文書の取り上げなどの処罰を受けることになる。

2.     「処罰免除対象リスト」では、処罰の度合いを緩和しており、情状が軽微且つ認証結果に影響を及ぼさず、また市場監督管理部門の要求に応じて、期限内に法定の手続きを補完した場合、処罰しない。

十二、「中華人民共和国計量法」に定める1つの行為(監督管理部門:市場監督管理局)

(三十二)「中華人民共和国計量法」第九条第二項に違反し強制検査範囲に該当しない計量器具について、自ら定期的に検査し又は定期的にその他の計量検定機構に送り検査を受けていなかったが、発見された後、自主的に検査に出し且つその検査に合格した場合。

1.     「中華人民共和国計量法」によると、強制検査の範囲には、県級以上の人民政府計量行政部門が社会で広く使用される計量基準器具、部門・企業・事業組織で使用される最高レベルの計量基準器具、及び貿易決済、安全防護、医療衛生、環境モニタリングのために使用され、強制検査リストに記載されている業務用計量器具が含まれる。

2.     上述した範囲以外の計量基準器具及び業務用計量器具は、強制検査の範囲に該当しない。

十三、「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」に定める2つの行為(監督管理部門:市場監督管理局)

(三十三)「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」第十条第二項に違反し、事業者がビジネス分野における単一用途カードの発行数量、前払金及び前払金残高などの情報を遅滞なく、正確且つ完全に伝送していなかったが、期限付きでの是正を命じた後、速やかに是正した場合。

1.     「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」によると、「単一用途プリペイドカード」とは、事業者が発行する、消費者が事業者及びその所属先グループ、同一ブランドのフランチャイズシステム内のみにおいて、商品又はサービスと引き換える前払式証券であり、これには、磁気カード、ICカード、紙チケットなどを媒体とする実体カード、及びパスワード、コード、図形、生体情報などを媒体とするバーチャルカードが含まれるが、特定の商品又はサービスと引き換える場合は除く。

2.     これらの行為に対して、「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」規定によると、事業者が期限付きで是正するよう命じられ、期限を過ぎても是正しなかった場合は、過料に処される。

(三十四)「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」第十二条第二項に違反し、事業者が各四半期の1か月目の25日までに、共同監督管理サービスプラットフォームにおいて、前四半期のビジネス分野における単一用途カードの前払金支出状況などの情報を正確且つ完全に記入、報告していなかったが、期限付きでの是正を命じた後、速やかに是正した場合。

1.     「共同監督管理サービスプラットフォーム」の役割:事業者のカード発行情報及び事業情報を同時並行して収集し、係る政府部門の間で共有し、共同管理する。当該プラットフォームを1つの場として、政府部門、事業者、業界組織、社会公衆が共に参与し、単一用途カードの「社会的な協治」モデルを構築する。

2.     規定に従い、単一用途カードの前払金支出状況などの情報を記入し、報告しなかった場合、「上海市単一用途プリペイドカード管理規定」に基づき、事業者は期限付きでの是正を命じられる。期限を過ぎても是正しなかった場合、過料に処する。

3.     「処罰免除対象リスト」に基づき、市場監督管理部門の要求に従い、当該行為を速やかに是正した場合、処罰が免除される。

(里兆法律事務所が2019年6月11日付で作成)

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