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個人情報越境移転の標準契約の届出に係る新着情報及び弁護士による助言

中国ビジネスレポート 法務
包巍岳

包巍岳

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2023年9月6日

一、標準契約の届出に係る新着情報

● 2023年5月30日、国家ネットワーク情報事務室が「個人情報越境移転の標準契約届出ガイドライン(第一版)」(「『届出ガイドライン0』」という)を公布した。
● 2023年6月1日から「個人情報越境移転の標準契約弁法」(2023年2月24日に公布。「『弁法』」という)は正式に実施している。
● 2023年6月2日、北京市ネットワーク情報事務室が「北京市個人情報越境移転の標準契約に係る届出手引き」を公布した。
● 2023年6月7日、上海市ネットワーク情報事務室が「個人情報越境移転の標準契約の届出に関する通知」を公布した。

二、届出手続きについての弁護士による助言

国家ネットワーク情報事務室による国レベルの標準契約届出ガイドラインの公布に伴い、各省級のネットワーク情報事務室においても、問い合わせ窓口の案内などを含む「届出に関する通知」を公布している。個人情報の越境移転を行う必要があり、且つ法定の要件1を満たしている企業は、今から準備作業を始めるようにすることが望ましい。その際、上述の文書によると、企業は、以下の点に注意を払う必要がある。

  1. 企業は、標準契約を締結し、効力が生じた日から10業務日内以内に、所在地の省級ネットワーク情報事務室にて届出手続きを行わなければならない(それには、標準契約、影響評価報告書、その他手続き上必要となる書類等が含まれるが、具体的には「届出ガイドライン0」の付属文書及び各地省級のネットワーク情報事務室の通知に従うこと)。
  2. 「届出ガイドライン0」には、影響評価報告書のひな形が添付されている。同ひな形によれば、影響評価報告書の内容は多岐に及び、「データ越境移転安全評価申請ガイドライン」2における「データ越境移転に伴うリスクの自己評価報告書(ひな形)」の内容と似ている。企業は、これをもとに影響評価作業を進めなければならない(相当の時間を要することになるであろう)。
  3. 「弁法」において6か月間の是正期間が設けられているため、11月30日前までに届出手続きを完了することが望ましい。
  4. 北京、上海のネットワーク情報事務室から発された「届出に関する通知」によると、企業は「届出ガイドライン0」の付属文書に基づいて資料を提出し、届出手続きを行う必要があるとなっている。したがって、所在地のネットワーク情報事務室から正式な通知がまだ発されていない企業においても、「届出ガイドライン1.0」に従い事前に準備しておくとよい。

(作者:里兆法律事務所 包巍岳 熊瀟 2023年6月9日)

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