こんにちわ、ゲストさん

ログイン

中国国内販売指南その5 「困った依頼」⇒「適切な依頼」へ

中国ビジネスレポート マーケティング
牛田 賢

牛田 賢

無料

2013年2月12日

■ビジネスを成功させている企業は、依頼内容が適切である。
実現可能性が低い「困った依頼」ではなく、「適切な依頼」によりロスを省き目的を達成したい。
以下、「困った依頼」事例と、その回答を記載する。

依頼事例①:日本で販売している商品を買ってくれる相手(或いは、販売代理店)を見つけて欲しい。
※現地での販売組織及びスタッフは存在しないが、委託先の工場は協力してくれる・・・。

回答①:まず、自社が販売したい商品&サービスについて、現地マーケットの実情を知る必要がある。
a)顧客は誰か
b)競合他社はどこで、どの様な戦略でビジネスを展開しているか
c)上記a)、b)をふまえて、自社はどの様に戦うべきか
次に、自社商品のポジショニングをどう設定するか、更にそれに見合ったマーケティングミックス[1]を立案する。

上記内容を自社だけで実行するか、或いは、現地企業(他社)の力を借りるか、を検討する。
一般的に中国マーケットで実績が無い(無名の)商品を扱う日本企業が現地企業と取引交渉を行う場合、日本企業にとって有利な取引条件を引き出すことは非常に難しい。
委託先の現地工場が協力してくれる場合が想定されるものの、そもそも国を問わず「工場」が販売を行うことは容易ではない。<「小売」経験が無く、マーケティングの概念が抜け落ちがちである>

可能であれば(相応の投資が必要となるものの)中国マーケットでビジネスを小さく成功させた後、その実績を示しつつ、現地企業と取引交渉を行いたい。
一般的にその実績が魅力的であればある程、より有利な条件を引き出すことができ得る。

依頼事例②:出張スケジュールを組むため、現地マーケットで販売力のある有力企業:当事長(総経理)とのアポイントを1ヵ月程度前に確定させて欲しい。

回答②:日本企業より(現地企業にオーダーする感覚で)上記の依頼を受けるケースが多々ある。
中国内販の有力企業にとって、会ったことの無い日本企業は、例え業界大手企業であっても「外国の良く知らない企業」である。
中国内販の有力企業にとって優先順位が高い相手は会ったことが無い日本企業ではなく、オーダーをくれる企業(顧客)、有力取引先、地元政府の要人、古い友達などである。
一般的に中国企業のトップは日本企業のトップと比べ、長い先(1ヵ月程度先)のスケジュールを決めたがらない傾向がある。当方の経験値として10日~2週間程度先までの比較的短いスケジュールを決めるケースが多い。
中国企業トップとアポイントを取る場合は、彼らのタイムサイクルに合わせると実現し易い。

依頼例③:売買契約を締結した後に、「納期を早くして欲しい、追加依頼・修正依頼がある」など。

回答③:国を越えてビジネスを行う場合、「契約」がベースとなる。
→日本国内で取引を行う際の「契約」とは概念が違う部分がある(特に貿易に関して)。
例えば、日本から資材等を無償で支給する場合、完成品を日本へ輸入する際に「評価申告」が必要となる。送り込んだ資材の金額及び送料は、どの契約に紐付くのか、を明確にしなければならない。
また、取引先によっては日本的な細かい変更に慣れていない。特に、米国、欧米企業向け輸出をメインに行っている企業は、「契約通り」実行することに慣れている。
契約前にすべてを確定させることが原則であるが、オーダー時のサプライヤーとのパワーバランス、サプライヤーの対応力を考慮しつつ、要求レベルを調整したい。
(グローバルスタンダードを意識の上)

⇒サプライヤーである現地企業にとって重要な顧客である(或いは、長い年月の取引実績があり信頼関係が構築できている)場合は、要求した対応を期待でき得る。

[1]マーケティングミックス:「商品、価格、流通チャネル、プロモーション」を有機的に組み合わせること

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ