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日本の“考え方”を輸出せよ

中国ビジネスレポート 労務・人材
森辺 一樹

森辺 一樹

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2012年9月27日

日本の商品やサービスを広く世界に流通させるには何が重要なのか?勿論、現実的に商品やサービスを売るには、マーケティング戦略が全てだ。国内市場は勿論のこと、海外となれば、国内以上にマーケティング戦略無しには成功は無い。私のコラムでもこれまでマーケティング観点のことを多く書いてきた。しかし、今回は、日本人の“考え方“という少し違った角度からお話をしたい。

日本人は、100ドルで10の約束をすると、必ず10以上の約束を果たそうとする。100ドルで11や12の約束を果たすことは、日本人にとっては当たり前のことだ。相手は100ドルの対価を払ってくれる大切なお客様である以上、相手が想定している「10」という価値以上を感じて喜んでもらうことは、日本人にとっては極自然なことなのだ。しかし、このような考え方をする人種は世界中どこを探しても居ない。

ヨーロッパ人全てを一括りにするのは少し抵抗があるが、基本的に欧米人の場合、例えば100ドルで10の約束(契約)をすると、きっちり10の義務を果たす。100ドルの対価が10であるのであれば、それ以上でも以下でもなく、約束通りの10を果たす。相手が11を求めれば、こちらも当然の権利として110ドルを求める。彼らの中に1を無料でやるなどという考え方は存在しない。
中国人はと言えば、100ドルで10の約束をすると、とりあえず5の義務を果たす。そして、残りの5に対しては、相手が何も言われなければ5の得をしたと考える。中国人からすると、偏見だと言われるかもしれないが、これは長年の私の実体験から感じることであり、全ての中国人がそうだとは言わないが、大半はそうだし、少なからず間違ってはいないはずだ。

要は、世界には無い日本人のこのマインド(考え方)こそが素晴らしいものであり、日本企業の作る全ての製品やサービスにはこの考え方が基本になっている。だからこそ日本の製品は世界一品質が高く、日本のサービスは世界一気持ちが良いと言われるのだ。日本が戦後、奇跡的な経済成長を遂げたのも、日本人がただ頑張ったからではなく、日本人の頑張りにはこの考え方が強く根付いていたからだと私は思う。
日本企業の技術力が高いのも、ただ頭が良いから、勤勉だから、手先が器用だからではない。頭の善し悪しで言えば、よっぽどアメリカ人やユダヤ人の方が賢いだろう。勤勉で言えば、ベトナム人の方が真面目で勤勉だ。手先の器用さなら中国人の方が器用だ。なのになぜ彼らには出来ないことが日本人にはできるのか?それは全て、“日本人の考え方”に起源しているのだと私は思う。

日本は、日本企業は、もっとこの“日本の考え方“を世界に輸出するすべきだと強く感じる。それが結果、日本の製品やサービスをより世界に広めることに繋がるだろう。

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