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ログイン2012年12月10日
製品やサービスの品質に優位性を持つ日本企業は、他のどの国の企業よりも新興国市場を狙う上でのアドバンテージ(優位性)が多い。しかし、それら品質面での優位性が多いがために、奢りが生まれ、現地市場における戦略と人材マネジメントが疎かになり、結果、高い成果に結びついていないケースが少なく無い。
企業は“人”である。これは日本でも海外でも変わらない。いくら多くのアドバンテージを持っていいようが、現地の人材マネジメントが適切になされなければ成功することは無い。今回は、現地法人の人材マネジメントにおいて重要な二つの要素について書きたい。
日本人の上司は、一般的に“優しい”。これは日本人の美徳でもあるのだが、上司だからといって変に威張るような人は少ない。しかし、新興国の人材をマネジメントする上では、この日本人の“優しい”は邪魔になる。誤解を恐れずに言えば、“優しい”上司は、なめられて終わる。なぜなら、多くの新興国では、日本には無い露骨な格差が存在し、仕える人と仕えられる人の絶対的な上下関係が当たり前の認識として成り立っている。
仕事の上でも例外無く上下関係は露骨に表現されることが多い。それが部下に対する威厳となり、部下を働かすための重要な要素になっているからだ。日本では、上司が優しかろうが怖かろうが、部下の仕事ぶりは変わらない。しかし、多くの新興国では残念ながら変わってしまう。言わずとも、表現せずとも分かるのは日本の会社の中だけのことである。
もう一つは、確りとした評価制度の基、日本以上のスピードで明確な評価をしてあげなければならないということだ。新興国の社員は、成長意欲が日本人以上に高い。より良い生活や将来のために、自身の評価を強く求める。現地従業員間で互いの給料を教え合うことなど珍しく無く、「なぜ彼、彼女より自分は仕事をしているのに、自分の給料の方が低いのか」などの評価に対する不満は日常茶飯事である。
日本では、自分の評価に正面切って上司に不満を言う社員など稀である。入社して数年もすれば、先輩や上司など、組織内の一般的なキャリアプランがイコール自分のキャリアプランや将来像となり、その内、それが当たり前のことになる。そこから脱落しない意識が先行し、伸し上がってやろうなどという人材は少ない。日本も成果主義に変わったとは言え、基本は、皆、然程大きな違いはなく、段階を経て出世していく。むしろ、成された評価に不満を言えば、マイナス評価すら受けかねない。
しかし、新興国は違う。経済成長のスピードが早いだけに、求められる評価のスピードも早い。確りと評価をしてあげなければ、優秀な人材は即他社へ行く。日本人がよく、「現地で採用した人材は直ぐやめる」と言うが、それは日本の評価基準や常識で現地の人材をマネジメントしているからである。
現地市場の攻略は、日本人だけで成し得ることが難しいだけに、現地人材のマネジメントを今一度見直すことが重要である。
(2011年9月執筆)
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