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ログイン2004年12月24日
Zさんは、【日本人の四つの精神】として、「仕事を大切にする気持ち」「サービス精神」「品質を重んじる精神」「自律精神」を挙げて、自国と比べて優れた面のみを取り出しています。今回は、その第3回目です。Zさんの日本滞在記を読むと、「淳風美俗」という、あまり最近では耳にしなくなった言葉を思い出します。日本人が守るべきものが、そこに見えているという気がします。
Zさん―(3)
【日本人の四つの精神】
3.日本人の品質に対する意識
日本に来たばかりは、町にまばゆいばかりに溢れる商品を目の前にして、果たしてどれが良いものか、良いものでないのか分からず戸惑ったものでしたが、そのうち、日本での買い物は、ニセモノがないので、安心して行えば良いことがわかってきました。ちょっと見には全く同じに見える2000円の定価がついた真珠のネックレスと20万円の真珠のネックレスでも、2000円のものは人造真珠で、20万円のものは天然真珠です。消費者は、ほとんどの場合、商品の定価を見れば、商品のレベルがわかってしまうのです。
ニセモノを売らないというレベルで日本を評価するなどというのは、全くのところ、見当違いも甚だしいと言うべきです。日本人の品質に対する意識というのは、骨の髄まで深く深く染み込んでいます。
私が住んでいた北浦和の一室も、狭いながらも、品質はと言えば、相当なものでした。エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機等はどれも高品質のものでした。また、私が買って食べていたお米は中等レベルのものでしたが、味は良く、中国の高い部類のお米よりも味が良い位でした。たかがお米ですから、中国人も日本以上においしいお米を開発することはできると思うでしょうが、ところがどっこい、日本人のような骨の髄まで染み込んだ品質を大切にする意識、何を作るにも最も良いものを作り中途半端なもので満足しないという姿勢、ちょっと成果が出たらもうそれで満足することを否定する姿勢がなければ、無理なのです。
この点は極めて重要です。お米だけではなく、プロセス開発、ソフト開発をする際にも重要ですし、なにをやるにしても重要です。我々が作った製品は必ずしも最も優れたものではないかも知れないが、品質が最も優れたものを作るんだという姿勢で臨まなければならないということです。品質がこのようにして保たれてこそ、会社は業績が低迷したり、淘汰されたりせずに済むのです。
日本では、トイレも大変快適です。ホテルでも、ショッピングモールでも、地下鉄でも、街の小さな食堂でも、どこに行っても、トイレ、壁、レンガ、衛生陶器などはピカピカです。日本滞在期間中、水道の蛇口が壊れて水が噴出したり、トイレの水が漏れたり、トイレのドアのかんぬきが壊れていて、いやな思いをしたことはありませんでした。また、どのトイレも異臭がしません。日本の労働力は極めて高いため、公共のトイレでは、いつも人がいるわけでもなく、しょっちゅう掃除をしているわけでもないのにです。
以前、日本人の品質に対する意識を巧みな比喩を使って表現した文章をよんだことがあります。それは、こういうものでした。
「アメリカ人がエレベーターを発明したとして、アメリカ人は、エレベーターは上下に動けば良いと考えるが、日本人はそれでは満足せず、必ずどの階でも、エレベーターとフロアーがきっちりと同一面に来て止まるように改造しなければ気がすまない」
(2004年12月記・1.247字)
心弦社代表 田中則明
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