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ログイン2005年10月25日
このところ、「第一印象」の重要性を強調して来ましたが、最近、中国語の企業研修をしている会社より、それに係る興味深い内容の資料をいただきました。
どういう資料かと言えば、中国の工場内(”小気候”)でのコミュニケーション改善を図るために日本駐在員として心得ておくべきことをまとめたものです。
その会社では、中国に駐在する日本人社員は、全員、中国語の研修とこの20か条の「心得」の学習が義務付けられています。駐在員全員が、中国語を身につけ、かつ中国文化という異文化に対する理解を深めることができるようにするために独自に作り上げられた研修プログラムです。
このプログラムより、国と国との外交(”大気候”)とは別の次元で現在日本企業内部で行われている真剣かつ地道なコミュニケーション改善の試みの一端がうかがえます。
では、どういう内容かと言いますと、実に興味深い(”耐人尋味”)ものです。以下、解説の部分は省き、見出しのみ列挙します。
解説を読まないと、意味不明のものきっとがあるでしょうが、「そうだ、そうだ」と思われるものもあるでしょう。いや、これでは不十分だと思われる個所もあるでしょう。
例えば、16.ですが、日本人同士でもあまりこういった発言は聞かれないような気がしますが、いかがでしょう?
それは、ともかく、上記の1.と2.は、初対面にかかわるものですが、その部分の解説は、こうなっています。
・・・多くの中国人は自分独自の観相術を心得ていて、付き合うに足る人物かどうかを、初対面の場で鑑定し判断を下します。中国人に一度悪い判断をされたら、後から挽回することは大変難しいです。ですから、初対面の場での立ち居振る舞いや発言は慎重の上にも慎重を期すべきです。・・・・・・
しかし、「第一印象」が不出来だった場合、挽回するのが難しいというのは、中国人に限ったことでしょうか? 私は、そうは言えないと思います。どこの国の人であっても、「第一印象」の良し悪しは、ずっとずっと付きまとうと思うのです。
初めて出会った異国の人が、鉄砲を持った兵士であったり、麻薬の売人であったり、風俗業の斡旋業者であったり、詐欺師であったりした場合は、その後いくら「良い異国人」に出会ったとしても、なかなか当初の衝撃を忘れ去り、「私がたまたま会った人達は、その国のごく少数の例外的存在だったんだ」と納得できるまでには、かなりの時間と努力が必要なはずです。
逆に、最初に出会った異国人が、温厚な教師、親切なガイドさん、信頼できる会社経営者、大局観のある政治家、博愛主義者であったとしたら、その後、悪い異国人に出会っても、「この国の人達は、皆、いい人ばかりだ」という印象を抱き続け、相手の本性が見抜けず、だまされてしまうといった悲劇が起きる可能性は大でしょう。
このように、「第一印象」をもたらす「出会い」が、異文化理解に抜き差しならぬ影を投げかけることになるのですから、20か条の最初に「初対面」における注意事項を据えた、この会社の配慮は大変穏当なものと言えます。
一方、上述の解説の前半部分に、「中国人独自の観相術(”相面術”)を心得ている」とあります。この部分は、どう読んだら良いのでしょうか?
この資料には、これ以上の解説はありませんが、もし、それが事実だとしたら、中国に駐在する日本人はすべからく、この「中国人独特の観相術(”相面術”)」の中身まで理解してかかるべきということになります。不幸にして、私は、この方面に疎いのですが、今後、日中相互異文化理解を促進する上で、これは本気で研究するに値するテーマの一つだと言ったら言い過ぎでしょうか?
(以上)
(2005年10月記・2,022字)
心弦社代表 田中則明
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