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ログイン2006年8月17日
日系企業社員の告発状を読む(5)
『A総経理の二十大罪状』はまだまだ続きます。登場人物もかなりの数に上って来ており、誰が誰だか分からなくなってしまうような、何やら大河小説の片鱗を思わせる展開を見せています。全体としては、ある一人の社員、間違いなく会社設立時からA総経理を見守り続けてきた古参社員の目から見たA総経理の悪事が時系列的に列挙されるという体裁を取っており、その流れに沿って読んで行けば、何が起きたかを理解することは難しくないと言えますが、何しろ登場人物が多いのには驚かされます。
『釣りバカ日誌』のように、主人公を取り巻く人間とその人間関係が殆ど変らないのとは全く違います。ゆうに30名を超えています。社員数が30名弱の会社で5〜6年の間に30名強の新旧社員が入れ替わり立ち代り登場するというのは、社員がいつかないと言って嘆いている日本の会社のどの経営者にとっても、恐らく驚愕をもって受け止められるに違いありません。
今回は、14.〜16.です。
14. 会社の営業担当者Z女史は、仕事の報告をしている折に、図らずもA総経理がネット上のアダルトサイトを見ていたことを知ってしまったため、A総経理の恥ずかしさから来る逆恨みを買ってしまった。また、その折、Z女史は、A総経理の様々な誤りについての持論を述べたため、A総経理はZ女史のボーナスを削り、6月19日なんら説明を行わずに営業部長経由自主退職を迫った。Z女史は、仕事熱心で、それまでの一年間に20以上の成約をなし、何十万元の利益を会社にもたらしていた。実際、彼女は80余の顧客を回って一生懸命営業していたが、A総経理の邪魔と信用を欠く態度に妨げられて成約を逃していた。会社を辞めさせられる寸前にもS社より○○○○に関する10万元のソフト開発を受注していた。A総経理が、長きに亘り保険料を支払わず、且つ労働契約期限到来の6ヶ月前に解雇していたため、彼女の受けた心理的ダメージは計り知れず、彼女は、○○労働監察部門と労働仲裁機構に訴え出た。
A総経理は、このことを知ると彼女に電話し示談を提案した。同時に、A総経理は、彼の友達である政府関係者AAにお出まし願い、BB部長、CC部長、経理DDと共に何度も彼女と和解会談をおこなった。そして、彼女が和解に応じてからは、会談内容を全て記録し、弁護士に依頼して彼女との訴訟において反駁できるよう大量の嘘の証拠をでっち上げた。また、会社内部で彼女に対する誹謗中傷の噂を撒き散らし、全ての社員の不評を買った。
15. A総経理は、長きに亘り、プロジェクトに躓いて来たが、社員に開発案を出させ、その内容を自分自身が理解できないとなると、間違っているとはねつけるのだった。皆で繰り返し見直し、その案が間違っていない場合でも、なかなかその事実を受け入れようとはしなかった。また、ある案件を設計開発した者には、その案を実行させずに、その他の者に回してしまった。長年のこういうやり方が、元々はうまく行っていた人間関係にヒビを入れる結果となった。例えば、EEと
FFの間に矛盾が広がり、仕事に差し支えが出て、優秀な社員の大量流失を招いた。
16. A総経理は、個人的な目的のため、国家の定めた保険料を納めず、多くの社員の不満を引き起こし、それらは退社後に
会社を訴えるケースを引き起こしている。このことにより会社の名声が常に傷つけられている。
(2005年8月記・1,410字)
心弦社代表 田中則明
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