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時は熟した中国コーヒー市場

中国ビジネスレポート 各業界事情
森辺 一樹

森辺 一樹

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2012年7月18日

 全日本コーヒー協会によると日本の一人当たりのコーヒー消費量は年間331杯で、この数字はアジアで断トツの1位だ。一方、中国の一人当たりのコーヒー消費量は、都市部で年間数杯。北京や上海の大都市でも年間20杯程度だという。現在の日本と中国ではその消費量には格段の差が存在する。コーヒーショップの出店マーケットとしては確実に日本の方が大きい市場だ。

 しかし、注目すべきはここ数年の中国のコーヒー消費量の成長率と消費量を決して平均値で見て判断してはいけないということだ。ICO(International Coffee Organization)によると、コーヒー消費成長率の世界平均が2%だというのにもかかわらず、中国はここ数年15%程度の驚異的な成長率を見せている。中国は元々お茶文化の国だ。しかし、紅茶文化の英国も、お茶文化の日本も経済の成長と共に人々のライフスタイルが先進化し、お茶からコーヒーへとマーケットが移行し、コーヒー市場が拡大した。これは中国でも同じことが起きている。このまま成長が進むと中国は間違いなくコーヒーの一大消費マーケットとなるだろう。

 また、中国はそもそも人口が多く貧富の差が激しいので、一人当たりの年間消費量が日本と比較してまだまだ少ないから市場としてまだ早いと判断するのは間違いだ。中国では多くの事項で平均値をとることが意味を成さない場合がある。コーヒー消費に関しては、確実にターゲットを限定すべきである。

 中国の主要コーヒーショップは、欧米系のスターバックス(米国)、コスタ・コーヒー(英国)、ブレンズコーヒー(カナダ)や中国・台湾系の上島、米萝、迪欧、两岸、名典、老树などがある。スターバックスは、1999年に北京で中国大陸1号店をオープンさせた。現在、香港、台湾を含め500店舗以上ある。欧米系を中心にいわゆるシアトル系と言われるスタイルと、中国・台湾系を中心に中華系スタイルの大きくわけて二つに分類できる。

 コーヒー一杯当たりの価格は最近では、10元前後の安価なコーヒーを出す店も出てきたが、基本的には25元程度と中国人の平均的な収入レベルを考えると決して安くない。

 シアトル系の客層は20代~40代のエリートビジネスマンタイプが多い。コーヒーを飲みながら読書やipadやPCを操作したりしている客を多く見る。一方で、中華系スタイルは、豪華なイメージの店が多い。ファミリーレストラン並みの食事メニューが用意されており、麻雀卓付きの個室も合ったりする。地域差はあるが、客層はシアトル系と比較して年齢層が若干高めだ。
 
 中国では、まだコーヒーショップが若干特別な場所になっている。しかし、次の10年、中国人にとってのコーヒーはより身近なものになるだろう。スターバックスが12年かけて築き上げた今の地位より遥かに早いスピードで進化するだろう。日本国内にこれ以上の期待が持てない日本。中国に出る時は熟したと感じる。

(2011年3月)

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