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不動産賃貸契約Q&A

中国ビジネスレポート 各業界事情
王 倩

王 倩

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2011年9月28日

記事概要

Q:建物を賃借して営業場所としてきましたが、今年、その建物が違法建物であると分かり、移転を考えています。大家さんに既に支払った家賃の返還と内装費用の一部負担を要求したいのですが、どのように交渉したらいいでしょうか?

Q:建物を賃借して営業場所としてきましたが、今年、その建物が違法建物であると分かり、移転を考えています。大家さんに既に支払った家賃の返還と内装費用の一部負担を要求したいのですが、どのように交渉したらいいでしょうか?

A:
1.不動産が違法建築物の場合、不動産賃貸契約は無効となり、すでに使用した時間に応じて家賃が計算されます。
2009年の最高法院の関係司法解釈(「最高人民法院による都市・鎮建物賃貸借契約紛争案件の審理にかかる具体的な法律適用の若干問題に関する解釈」)によれば、賃貸人が建設工程計画許可証を取得せずにまたは建設工程計画許可証の規定に従わずに建設した建物について、賃借人と締結した賃貸借契約は無効となります。ただし、建物賃貸借契約が無効であっても、大家さんは、契約時に約定した家賃の基準を参照して、「建物の占有使用費」の支払いを要求できるとされています。例えば、1年間の家賃を前払いし、既に10ヶ月間が経過した場合、家賃の返還は残り2ヶ月分となります。

2.契約の無効により被った損失について請求ができます。
この契約無効の原因は大家さん側にありますので、それにより被った損失を大家さんに請求することができます。

①契約書の規定に契約無効となった場合の賠償金額に関する約定があれば、それを基準に賠償金額を請求します。

②大家さんの同意を経て内装を行った後に賃貸借契約が無効となった場合、すでに建物の付属物になった内装については、値段についての協議が成功すれば大家さんにそれを所有させることができます。もし、大家さんが内装の使用を同意しない場合は、残った契約期間に応じて、現存価値を計算して、双方の過失に従い損失を分担します。

3.営業場所として不動産賃貸契約をする際の注意点
建物を賃貸する際、まず、建物の所有権証を確認してください。その後、工商局で同住所の工商登録の可否(建物の用途、登録の有無)を確認してから、賃貸契約するのが良いでしょう。
ちなみに、中国では不動産賃貸借契約の登記規定がありますが、この登記は賃貸借契約の発効理由ではありませんので、大家さんに行政処罰が課される可能性はありますが、借りる側には賃貸借契約未登記の場合でも民事上、行政上の法的リスクはありません。

以上

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