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中国における資本金の引き出し手順

中国ビジネスレポート 税務・会計
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2013年2月8日

本日は、中国における資本金の引き出し処理について、お話しします。

日本においては、会社設立登記後であれば、比較的簡単な手続で資本金の引き出しが可能です。しかしながら、中国においては、資本金の引き出しが問題になることが多いのです。

日系企業の多くは、USドル、香港ドル、日本円で出資した中国現地法人であるため、資本金の引き出しにおいては、まず外貨から人民元へ両替(以下、元転)をしてから、引き出す必要があります。この元転処理が、問題が起きる一番の要因となります。

なぜなら、資本金を元転して獲得した人民元については以下のような規制が設けられており、使用用途の制限や、必要書類の提出が義務づけられているためです(外商投資企業の外貨資本金支払い・外貨決済管理の完全化に関係する業務操作の問題に関する国家外貨管理局綜合司の通知)。

①中国より認可された経営範囲内において使用しなければならない②中国国内での株式権益投資(ファンド)に使用してはいけない③自己使用の国内不動産の購入に使用してはいけない④証券投資については国の関係規定に従って執行しなければならない⑤人民元転の際、「用途証明文書」を銀行に提出しなければならない(銀行により使用用途の真実性・適法性についての審査が行われる)
※②~④については、別途例外規定があります。

上記⑤では、出金目的ごとに用途証明文書が異なります。例えば、給与であれば給与明細書、弁護士顧問料であればその契約書等の提出が求められます。
なお、5万USドル相当額以下の手元資金を元転する場合には、用途証明文書の提出は免除されておりますが、1カ月で元転する合計金が10万USドルを超える場合は、用途証明文書が必要になります。

また、資本金から元転する金額が、口座貸方(入金側)累計発生額の95パーセントに達する場合は、まず関連するインボイス等の証憑についての照合調査を受ける必要があります。その後、資本金の人民元転が可能になります。資本金の元転後、取引が行われなかった場合は、元転処理で獲得した人民元を、元転を行った銀行へ返金しなければなりません。さらに、その銀行に対して関連証明資料を提出しなければいけません。

このように、日本では簡単に処理できる資本金の引き出しですが、中国においては面倒な処理が伴うことがあります。また、銀行によって提出する書類が異なる場合がありますので、注意が必要です。

東京コンサルティンググループ
東顧投資諮詢(上海)有限公司
田中勇

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