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ログイン2013年2月7日
国内小売業が東南アジアに熱い視線を注いでいる。ファーストリテイリングが2020年までに東南アジアで1,000店の大量出店をめざしたり、イオンはベトナムやカンボジアへの進出を表明したりするなど、大手の事業展開が進み始めた。今後のアジア小売市場はどう変わっていくのだろうか。
東南アジア全11カ国(シンガポール・ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・カンボジア・ブルネイ・マレーシア・ミャンマー・ラオス・東ティモール)の内、小売事業が成り立つ市場はシンガポール・ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・マレーシアの6カ国だ。1人当たりGDP(名目)も上昇傾向にある。中でも、ベトナム・タイ・インドネシアの3カ国の小売市場は今後、高い成長を見せるだろう。
まずベトナムについて見てみよう。ベトナムの小売業は、着実な経済成長、所得の増加、中間層の拡大、若者人口の増大といった要因に加え、欧米風の生活様式に接する機会の増加で消費が活発になっており、力強い成長を維持し続けると見られている。
堅実で力強い経済成長と国民の1人当たり所得の上昇によって、ベトナムの小売業は飛躍的に拡大した。近代的小売業および伝統的小売業のすべての小売業を含む総売上高は、1997年の118億米ドルから2010年には約800億米ドルへと増加した。ここ数年、毎年約20%以上の高い成長率を示しており、10年は前年比で24%以上の伸びとなっている。
次にタイである。タイの経済にとって小売産業は重要な産業の一つである。タイの小売産業は、総売上高が400億米ドルを超え、GDP(国内総生産)の約8%を占めており、その雇用者数は全雇用者数の5%を占めている。
専門店・CVS・ディスカウントストア(DS)・ハイパーマーケット(大型の売場に総合食品・日用品を中心に、衣料・DIY用品・書籍・玩具など多岐にわたる商品を揃える郊外型の小売業態)などが安定した成長を続ける一方、百貨店は成長が鈍化している。首都バンコクでの競争は熾烈で、主要なショッピングモールや百貨店は、消費者の支出を促し、買物の頻度を増やそうと、あの手この手の販促策を講じている。
最後にインドネシアである。インドネシアは、人口約2億9000万人を抱え、世界で4番目に人口の多い国だ。この国の小売市場も目覚ましい成長を遂げており、東南アジア最大の潜在成長力を持つ。
インドネシアでも近代的小売業が急速に成長しているが、大きな割合を占めるのは伝統的小売業だ。国内小売業の総売上高のうち、伝統的小売業が約80%も有している。大都市中心部では伝統的小売業の割合は低くなるが、所得の低い農村地区になるとさらに高くなる。
日本の小売業の東南アジア進出は、欧米勢と比較すると大きく後れを取っている。だが、消費財メーカーを含め、日本の流通業の東南アジアへの関心が急速に高まってきており、今後、進出が加速するのは間違いないだろう。
(2012年2月 執筆)
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