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【コラム】中国現場体験記(81) チベット鉄道、飛行機の中でもカップ麵

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2014年8月14日

3.寝台列車、チベット鉄道内で

中国各地を走る寝台列車の洗面所には、乗客が使えるお湯が用意されています。軟臥の前の通路では必ずと言って良いほど、中国人乗客が、カップ麺にお湯を入れ、プラスティックのフォークを留め具代わりに刺している光景に出会います。

2012年8月、筆者は青海省西寧からチベット・ラサに向かうチベット鉄道の中にいました。途中、ゴルムド駅では20分間の一時停車の時間がありました。ゴルムドからは高地に向けて登ることになるため、平地とは違った牽引車に接続変更するためです。チベット鉄道の食堂車で慌しく朝食を終えた筆者は、チベット鉄道とゴルムド駅を写真撮影するため、車外に飛び出して行きました。しばらくすると、呼び声がかかりました。

車掌:「出発よ!早く戻って来なさい」

筆者は目の前の車両に飛び乗りました。飛び乗ると同時に、ドアは閉まりました。危うく捨て置かれるところでした。軟臥の車両に戻る時間はなく、飛び込んだ先は硬座の車両でした。

筆者が利用していた軟臥にいる乗客は皆、漢族のようでしたが、ここ硬座には多くのチベット人乗客がいました。標高が高く、日差しの強いチベットで日焼けしたチベット族の顔が並んでいました。硬座の座席はベッドではなく、通常の列車に見られる向かい合う4人用の硬い座席です。高地を長時間かけて走るチベット鉄道の硬座に座りながらラサを目指すのは、過酷な旅です。西寧からラサまででも、24時間かかります。

硬座の車両にいる乗客は、食堂車を利用しませんし、できません。車内販売の弁当を購入して食べている人も少数です。多くのチベット人が、値段の安いカップ?食べていました。ヒマワリの種などが散乱している通路の上や所かまわず寝ているチベット人乗客が多くいました。

4.果ては飛行機内でも

あるとき、中国国内線の飛行機内で、康師傅の紅焼牛肉麺を手にしている中国人乗客を目撃しました。この乗客が、おもむろにこのカップ?を包むビニール袋を空け、蓋をめくり、タレを入れ始めたときも、まだ筆者は、「いくら何でもそれはないだろう」と思いながら乗客の動きを見つめていました。この乗客は、客室乗務員にお湯を入れて持って来るように頼みました。
筆者の心の中:「いくら何でもそれは断るだろう」

ところが、・・・。客室乗務員は、黙ってお湯を入れて持って帰ってきたのです。しかもご丁寧なことに、蓋がめくれないようにフォークで刺すという中国式のやり方で。

この中国人乗客が臭いを飛行機中に漂わせながら、満足気にカップ麺を平らげたことは言うまでもありません。

以上

コラム81 チベット鉄道・タングラ南駅
※チベット鉄道・タングラ南駅 海抜4,951メートル

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