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【コラム】中国現場体験記(99) 中国で大人気の韓国系カフェと日本企業の戦略

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2016年8月19日

中国では韓流ドラマ、K-POPが大変な人気です。ある中国人女性は、韓流ドラマの無理な設定こそが、現実から逃避したいという気持ちにぴったり当てはまると言っていました。
今回は、韓流ドラマ、K-POP、韓国人俳優から、中国で大人気の韓流カフェに関する現場コラムです。

1.中国では韓流が大人気!
中国では韓流ドラマが大人気です。また、多くの企業が自社のイメージモデルとして韓国人俳優を起用しており、そのポスターがあちこちに貼り出されています。日本の熊本から来て中国全土で大展開している味千ラーメンのイメージキャラクターは、中国現地人の趣味嗜好に合わせてか、韓国人俳優が務めています。日本企業だから日本人俳優が広告塔になるわけでも、中国だから中国人俳優が広告塔になるわけでもないのです。

最近、中国全土において続々と展開されているのが、Caffee Bene(カフェベネ)、MAAN COFFEE、ZOO COFFEEといった韓国系の韓流カフェです。日本のカフェと比べて店舗面積が広く、300~500㎡。日本のカフェはもちろん、中国に大進出しているスターバックスなどと比較しても、ゆとりある店舗設計が多いのが特徴です。また、中国人の趣味嗜好に合う、派手な店舗デザインです。Caffee Beneは韓国の人気俳優チャン・グンソクがイメージキャラクター。MAAN COFFEEはカウンターでの注文後、商品交換のために渡されるのは、順番が来たらピッピと音が鳴る装置でも、単なるレシートでもなく、何と熊のぬいぐるみ。サファリパークでカフェしているようなZOO COFFEEのイメージキャラクターも、中国で大人気であった韓流ドラマに出演していた韓国人俳優です。

2.日本のカフェとの違いは?
韓流カフェのドリンク、フードは、中国の相場からすれば、決して安くはなく、むしろ高いと言えます。それにもかかわらず、なぜ人気なのか?中国人女性数人に聞いてみました。
中国人女性:「豪華な感じで綺麗。デートでも行ける」
筆者:「日本のカフェはどうして中国進出して来ないのだろう?」
中国人女性:「あなたの行っていた日本のカフェってどんな感じ」
筆者:「私の言っていたのは、フードがおいしくて、スターバックスなどと比較して安かった。でも、確かに、客の年齢層は高めだったかも。店舗デザインも韓流カフェのようには派手ではないし、店舗面積が小さいのは確かかも」
中国人女性:「中国人は、年齢層の高めの男性はまだまだお茶の文化だからコーヒーは飲まない人が多い。若い男性と女性が行くときには派手なほうが良い。フードもヘルシーさを求めているわけではない。だから日本のカフェは中国人の嗜好に合わないのでは?」
筆者:「中国では、こんな田舎にマクドナルド、ケンタッキーがある!とびっくりするものね。中国人の嗜好に合えば、かなり進出できるはずなのだけどな」

3.日本企業と韓国企業の違い
あるとき、筆者が言いました。
筆者:「私たちが住む武漢市には、どうして吉野家や松屋といった牛丼チェーンがないのだろう。どうして日系のカフェやレストランがないのだろう?私が北京にいたころから吉野家はあったし、上海には松屋もあった。中国人のお客さんも多かったのに・・・」
湖北人男性:「湖北省の味付けは濃くないと駄目。私は日本に住んでいたし、日本が好きだから日本のそういった店の料理はおいしいと思うけど、一般的な湖北人には味が薄い」
湖北人女性:「日本のそういったフードチェーンは、メニューが少ないのでは?北京、上海、広州といった日本人も多い都会ならともかく、武漢のような内陸部では、メニュー豊富でないと中国人客を取り込めないよ」

上述のカフェと同じ理屈のようでした。中国現地の趣味嗜好に合わせるのが上手な韓国企業。一方、日本企業は、・・・。中国では携帯電話もiPhone以外で人気があるのは、大画面の韓国サムソン製のものです。
  
湖北省武漢市でも、味千ラーメン、倉橋家といった日本食レストランチェーン店は大繁盛しています。当然、中国人好みのメニューと味付けになっていますし、メニューも豊富です。
武漢に来て思ったのは、武漢人男性は、見た目はこわもてが多いのですが、日本人嫌いの人にはあまり出会わないということです。日本が嫌いで韓国、アメリカが好き。だから日本のカフェや日本食レストランが受け入れられず、韓国カフェやアメリカのチェーンが受け入れられるというわけでもなさそうなのです。
中国のその地方、それぞれの現地の実情に合わせた戦略が重要だと感じた、中国での韓流ブームです。

以 上

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