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【コラム】中国現場体験記(41) 中国人の北朝鮮観と中国と北朝鮮の国境線

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2012年3月9日

日本にとって「遠い」国、北朝鮮。しかし中国では、吉林省および遼寧省が北朝鮮と国境を接しており、今まで「近い」関係にありました。吉林省および遼寧省はもちろん、北京にも多くの北朝鮮人が生活をしており、そのなかには北京の大学で学ぶ留学生や、北朝鮮政府公認の北朝鮮料理店で働く女性などもいます。この料理店では、女性スタッフによる北朝鮮の楽器演奏や歌唱を鑑賞する事ができます。
今回は、日本にとって「遠い」国、日本との間に解決しがたい問題を抱える国、北朝鮮に関する現場体験記です。

1.中国人の北朝鮮感
中国と北朝鮮は非常に「近い」関係にあります。これは地理的に隣接しているということに留まらず、人材面、経済面でも「近い」関係にあります。

日本人である私は、北京で生活を始めるまでは北朝鮮人と話したことがないだけでなく、実際に見たこともありませんでした。しかしながら、北京では、北朝鮮の人々は身近な存在として接することがあります。

話しは変わりますが、以前、北朝鮮の首脳が中国に来た際、大変な規制が引かれた事がありました。具体的には、北朝鮮と国境線を接する遼寧省丹東から大連までの、移動時間にして3時間余に渡る高速道路がすべて通行止めにされていました(北朝鮮首脳は北朝鮮から丹東まで列車で来て中国に入国していました)。

中国人は北朝鮮人のことをどう思っているのか、中国人の友人たちに聞いたことがあります。

友人①:「国境線を見に行ってごらん。あまりの貧乏さにびっくりするよ。丹東に泊まっている北朝鮮の船もみなボロボロだし」
友人②:「北朝鮮の首脳がまた中国に来た?金をせびりに来たのだね」
友人③:「普通の人たちではないから」
友人④:「奥北は日本人だから拉致されないように、中国人のツアーに紛れ込んだ方が良いよ」

2.北朝鮮と中国との国境線
あるとき、北京で見つけた日本人向け雑誌の広告欄に、以前、私が中国各地の旅行で利用していた現地の旅行会社が載っていました。

「日本人の皆さん、北朝鮮に行きませんか?2泊3日○○元、3泊4日○○元 北朝鮮の美しい自然に触れてください!」
北朝鮮への旅行商品を普通に宣伝していたのです。なかには列車で行くものもありました。まさしく、あの北朝鮮首脳が利用していた線路を使って、北朝鮮へ行くのです。

さすがに少々腰が引け、北朝鮮旅行は実行しませんでしたが、その広告欄にあった旅行会社の担当者が、私が中国を旅して回るときにいつも対応してくれる中国人女性だったため、情報収集がてら、再度連絡を取ってみる事にしました。

担当者:「奥北さん・・」
私:「はい?」
担当者:「北朝鮮に行きませんか?」
私:「行きません!でも、この日本の旅行誌(地球の歩き方)に載っている、中国と北朝鮮との国境線ツアーには興味があります」

「地球の歩き方」は、言わずと知れた日本の有名な旅行紹介誌ですが、現在は日本の本でも大概は購入できるようになった中国の都会においても、「地球の歩き方」は手に入りません。その理由は、中国大陸と台湾とを別の国として記載しているから中国の書店には置けない、という事です。担当役人に真相を確認したわけではありませんが、さもありなんという感じです。

私:「この本(地球の歩き方)に載っている北朝鮮との国境線弾丸ツアーを1度に回りたいのですが」
担当者:「交通の便の悪いところですから、一度に全部を回るのはスケジュール的にも無理ですね。2回に分けてもらえれば行けます。1回目は、大連から丹東を回る遼寧省と北朝鮮との国境線。2回目に、ここに掲載されている集安、長白山、図們、琿春・防川という吉林省と北朝鮮との国境線を回ると良いのではないですか?延吉という延辺朝鮮族自治州の街経由で色々と回られれば、朝鮮族(中国の55に及ぶ少数民族の1つ)の生活も見られますし」

この担当者が提案するスケジュールで旅程を組む事に決めました。1回目は、打ち合わせからすぐの4月。そして2回目は、川が凍ってボートにも乗れない今よりも、もう少し暖かくなってからのほうが良いというアドバイスに従い、7月に行くことになりました。


※朝鮮族自治区延吉で食した犬肉フルコース

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