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【コラム】中国現場体験記(36) 中国の飛行機事情その1~中国国内線はワンダーランド~

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2012年1月6日

筆者は、中国中を旅して回っていたため、中国各地で中国国内線の飛行機に搭乗して来ました。今回は、中国高速鉄道・和諧号、地下鉄、タクシー(白タク事情を含む)に続く、乗り物シリーズ、中国国内線の飛行機事情に関する現場体験記です。

1.中国国内の空港にて
(1)チェックインカウンターでチケットが発券されない!
① 上海浦東空港にて
中国国内線飛行機を予約のうえ、空港のチェックインカウンターに行くと、通常は搭乗券を発券してもらえます。ところが、搭乗券をなかなか発券してもらえない事態も往々にしてあります。

それは2011年8月、上海経由で湖南省の張家界(世界遺産の武陵源がある)に向かうときのことでした。筆者がチェックイン手続きをするため、上海浦東空港の国内線カウンターへ向かったところ、係員が「予約がされていない」と言うのです。しかも、満席であると。実はこういった状況には今までも何度か遭遇したことがありました。今までの経験で言うと、大体、姓名が逆に予約されており、それを指摘すれば問題解決となっていました。そこで、今回も「姓名がパスポートの順番とは逆にして予約されているかも知れない」と伝えたのです。しかし、それに対する係員の回答は、「それでもない」というものでした。

これには慌てました。上海から張家界空港へ向かうのは筆者一人だったのですが、張家界空港で北京に住む友人と落ち合うことになっていたからです。そこで、慌ててチケットを購入した旅行代理店に電話をしたのですが、一向に繋がりません。隣には、飛行機に乗り遅れた中国人カップルが、大慌ての様子で順番を待っており、筆者もますます焦って来ました。

いつも空港へは時間ぎりぎりに行くので、この時もここでゆっくりしている余裕はありませんでした。何度かけても繋がらない旅行会社に業を煮やしていると、突然、係員が電話を切るように言って来ました。「もう良いわ。はいっ」と搭乗チケットを渡されたのでした。先ほどまで満席のうえ、予約がないから発券できない、と言っていたのに大逆転です。よく事情は飲み込めませんでしたが、まさに中国のあちらこちらで経験する、危機管理対応のための訓練のようでした。

② 湖南省の張家界荷花空港にて
同じことは帰りの張家界荷花空港でも起こりました。小さな地方空港の係員曰く、「予約がない」。そこで、「姓名が逆に予約されていない?」と聞いたものの、「そうかと思って探してみたけど、やはり予約がない。仕方ないわね。満席よ」。いい加減にしてくれ、という気持ちでした。ただ、筆者も、行きの経験を踏まえ、予約の有無を確認しておくべきでした。

係員曰く、「隣の緊急カウンターで確認してみて」。そこで、そのまま隣にいた別の係員にパスポートを渡したところ、あっさりと搭乗チケットを発券してくれたのです。「予約されていたわよ」と。中国語が話せなかったら沈没するところでした。

別の所では、友人もカウンターの係員相手に真っ赤な顔で格闘中でした。「何を格闘しているの?」と聞いたところ、「中国国際航空はスターアライアンスでしょ。全日空のマイルに換算してもらおうと思っているのだけど、それを係員に言ったら、もう登録したと言うのだよ。でも、チケットに登録された旨の文字が印刷されていないよ。印刷されていない以上、登録したというのは口からの出任せだよ。だから何としてもマイルを登録しろ、と言っているのだよ。印刷しろと。」

(2)液体物持込制限
中国国内線の液体物持込制限は厳しく、日本・中国間の国際線に搭乗するときよりもさらに厳しいです。日本では、中国国内線でも、1人1個であれば、100ミリリットル以下の容器に入れていれば、出国審査場内の保安検査で開封確認後に持ち込み可能であるかのように書かれています。しかし、実際には面倒なのか、厳格なのか、全て預けるほうの荷物に入れていないと、手荷物としては持ち込むことができないのが実態です。

なぜこのように厳しいかというと、中国国内線であれば、飛び立った後も、問題が起こるのは中国国内となるからでしょうか。うがった見方ですが、この見方が一番しっくり来るのでした。

(3)飛ぶのか?
チェックインカウンター、手荷物検査を終了して搭乗口に至っても、まだ安心出来ません。なぜかというと、果たして時間通りに離陸するのか、という問題があるからです。中国では、時間通りに飛んでくれればラッキーぐらいに思う大らかさが必要になって来ます。

実際に中国各地の空港で、飛行機がなかなか飛ばないだけでなく、そもそも搭乗予定の飛行機が来ないということもよくありました。

たとえば、安徽省合肥空港経由で世界遺産のある黄山の黄山空港に行く際にも、合肥空港で足止めに遭いました。このときは、1人1個ずつお菓子が配られました。これは、それほど遅れない合図といえます。何とか2時間程度の遅れで飛ぶのではないか、という希望が持てます。

それに対して、上海浦東空港から大連空港に行く際には、弁当と飲み物が配られました。これは絶望的です。いつ飛ぶか分からないという合図です。腹さえ充たしておけば客も文句を言わないだろう、という魂胆です。実際、文句を言う人は減ります。実は筆者も機内食よりこのとき配られた弁当の方が美味しく感じられました。

ハルピン空港や西安空港でも、飛行機は時間通りには飛びませんでした。しかし、油断して搭乗口を離れると、実際に飛ぶことになった際に乗り遅れかねません。まともには、アナウンスが流されないからです。自然と、搭乗口近くから離れられないことになります。ハルピン空港では、前触れもなく、突然搭乗口が変更されたうえ、搭乗が開始されました。西安空港では、中国国際航空の予約で、機体も中国国際航空の便のはずが、突然、山東航空の機体を利用して飛ぶことになりました。油断大敵です。


※湖南省の張家界荷花空港で見つけた「山椒魚ラーメン万歳」という看板

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